無期雇用派遣とは?有期契約との違いや雇用条件・仕組みを解説

派遣で働くにあたって、知っておきたい働き方のひとつに「無期雇用派遣」があります。無期雇用派遣は、派遣社員として働く人の生活と労働環境の安定に向けて導入された比較的新しい仕組みです。

このページでは、無期雇用派遣と有期雇用派遣の違いやメリット・デメリットのほか、無期雇用派遣の働き方について解説します。また、アデコ独自の無期雇用派遣プログラムについてもご紹介していますので、興味のある人はぜひ参考にしてみてください。

このページでわかること

1無期雇用派遣って何?
無期雇用派遣は契約期間を定めず派遣会社と無期限雇用をするため、更新を気にせず安定就業ができます。
2有期雇用派遣との違いはここ!
有期派遣は派遣先の契約終了で雇用も終了しますが、無期雇用派遣なら派遣元との契約は継続。給与や制度面でも差があります。
3アデコでは多様な無期雇用派遣のサービスあり!
「キャリアシード」「キャリアシード・エル」「紹介予定派遣」「転職支援」など、多彩な選択肢をご用意。無期雇用派遣に興味のある方はお気軽にアデコへご相談ください。

無期雇用派遣とは

「無期雇用派遣」は、契約の終わりを決めずに派遣社員として働くことをさします。「有期雇用」の派遣社員と同様、派遣会社から企業に派遣される点は変わらないのですが、その前提として派遣会社と期間を設けない雇用契約を結んでいるというところが異なります。

「常用型派遣」「正社員型派遣」と呼ばれることもあります。

派遣契約には有期雇用派遣と無期雇用派遣がある

一般的に派遣で働くというと、3カ月ごと、6カ月ごとのように、契約を更新しながら就業期間の満了日まで働くスタイルを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし派遣には、大きく「有期雇用派遣」と「無期雇用派遣」があります。まずは、それぞれの仕組みについて見ていきましょう。

有期雇用派遣:派遣契約によって働く期間があらかじめ決まっている働き方

無期雇用派遣:有期雇用派遣の仕組み

派遣会社と派遣先企業のあいだで取り交わす派遣契約により、働く期間があらかじめ決まっているものを有期雇用派遣(登録型派遣)といいます。

派遣を希望する人は、派遣元となる派遣会社に自身の情報を登録しておき、派遣先が決まった段階で派遣会社と有期雇用契約を結びます。有期雇用派遣では、派遣先での就業期間が終了した段階で派遣会社との雇用契約も終了することがほとんどです。

有期雇用派遣のポイント

  1. 派遣先での就業期間の終了とともに派遣会社との雇用契約も終了することがほとんど
  2. 派遣先で就業していない期間は通常、給与の支払いはない

1社目の派遣期間が終了した後、次の派遣先が決まるまでは派遣会社とのあいだに雇用関係が生じないため、給与の支払いもありません。したがって、派遣先がなかなか決まらず待機期間が長引くと、無給の期間も長引くことになり、生活に大きく影響します。

希望に合わせて働ける反面、収入が安定しにくく、長期的なキャリアの展望を描きにくいことがデメリットであるといえるでしょう。

無期雇用派遣:派遣会社と雇用契約を結び、期間の定めがない働き方

無期雇用派遣:無期雇用派遣の仕組み

無期雇用派遣も、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業に派遣される仕組み自体は変わりません。有期雇用派遣と違うのは、派遣会社と期間を設けない雇用契約を結んでいる点です。

派遣先で就業していないあいだも派遣会社との雇用関係が継続するため、待機中も給与または休業手当が発生します。無期雇用派遣で働くことで、派遣社員は雇用と収入の安定が期待できるでしょう。

無期雇用派遣のポイント

  1. 1派遣会社に採用された時点で、派遣会社と期間を定めずに雇用契約を結ぶ
  2. 2派遣先での就業期間が終了しても派遣会社との雇用契約は継続します。
  3. 3派遣先での勤務が中心となりますが、派遣会社で勤務や待機を行う場合があります。
  4. 4派遣先で働いていない期間も、原則、給与または休業手当が支払われます。

無期雇用派遣が新設された経緯

無期雇用派遣は、2013年の労働契約法改正、2015年の労働者派遣法改正を経て新設された派遣の仕組みです。

無期雇用派遣の新設以前にも、有期の契約を繰り返し更新することで同じ職場で働き続けることはありました。こうした派遣社員のほとんどは、常時雇用の社員とおおよそ変わらない状態で働いているにもかかわらず、企業の都合である日突然契約を打ち切られる可能性があったのです。

しかし「有期」と「無期」を明確に区別することによって、労働者を保護する姿勢が明確になりました。2013年の改正では、同じ職場で5年を超えて働く場合、本人が希望すれば無期雇用に転換できる規定が設けられています。

続いて、2015年の改正では、有期雇用契約で同じ職場で働き続けられるのは3年が上限となりました。3年続けて働いた労働者に対しては、「別の派遣先を紹介する」「派遣先に直接雇用してもらえるよう促す」「派遣会社が無期雇用する」のいずれかを選択することができます。

こうした改正を経て、雇用安定措置の一環として拡大したのが無期雇用派遣という働き方です。

無期雇用派遣と有期雇用派遣の違い

あらためて無期雇用派遣と有期雇用派遣の違いについて確認しておきましょう。前述のとおり、従来の有期雇用派遣では、派遣先のA社やB社に就業が決まったときのみ、派遣会社との雇用関係が成立します。したがって、給与が支払われるのも、雇用関係がある就業期間のみです。

有期雇用派遣

対して無期雇用派遣は、派遣会社と最初に期間の定めのない雇用契約を結ぶものです。そのため、派遣先A社、B社で就業しているときのみならず、派遣就業がなく派遣会社で勤務しているときや、研修プログラムを受けているときにも給与を受け取ることができます。

無期雇用派遣

また雇用主である派遣会社が福利厚生を充実させている場合、交通費などの諸手当や待遇も向上します。福利厚生の内容は派遣会社によって異なるため、福利厚生を重視する場合には最初に確認しておくといいでしょう。

無期雇用派遣社員になるには?

派遣会社の無期雇用派遣社員の求人に応募し、派遣会社が行う書類選考や面接を通過すれば、無期雇用派遣社員として働き始めることができます。

ただし、派遣会社にとって、無期雇用派遣社員の採用は正社員の採用とほぼ同義です。実際に働くかどうかはさておき、登録だけをしておくことも可能な従来の派遣という働き方のイメージとは異なり、まずは選考を突破する必要があることは知っておきましょう。

無期雇用派遣が増えている

厚生労働省「令和3年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によれば、派遣労働者数は約209万人で、対前年度比で8.6%増加しています。また、無期雇用派遣労働者と有期雇用派遣労働者の割合は、下記のとおりです。

全体としては有期雇用派遣労働者が多くを占めていますが、対前年比では無期雇用派遣労働者の増加率のほうが高い結果となりました。このように、無期雇用派遣という働き方は多くの方に支持されています。

有期雇用派遣のポイント

  1. 無期雇用派遣労働者77万5,804人(対前年度比:8.8%増)
  2. 有期雇用派遣労働者131万6,501人(対前年度比:8.5%増)

無期雇用派遣のメリット・デメリット

無期雇用派遣には、労働者側と企業側双方にメリットとデメリットがあります。それぞれどのようなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。より詳細な内容は下記のページをご確認ください。

無期雇用派遣のメリット・デメリットについて詳しくはこちら

無期雇用派遣のメリット

派遣先での就業が終了しても、派遣会社から給与を得られるのが最大のメリットです。就業が決まるまでの間は、派遣会社で働いたり、研修プログラムを利用したりしてスキルアップすることも可能です。派遣期間の終了とともに、収入やキャリアが途絶える心配をせずに済むため、生活面でもキャリア面でも安定し、余裕を持って働くことができます。また、長く同じ職場で働くことで任される仕事が増えやすく、幅広い業務経験を積むことが期待できます。

全体としては有期雇用派遣労働者が多くを占めていますが、対前年比では無期雇用派遣労働者の増加率のほうが高い結果となりました。このように、無期雇用派遣という働き方は多くの方に支持されています。

無期雇用派遣のデメリット

無期雇用派遣は、派遣先での就業の有無にかかわらず派遣会社との雇用関係が継続するため、派遣社員ならではの自由なスタイルで働くことが難しくなるケースもあります。勤務地や勤務日数、時間、職種、仕事内容など、さまざまな条件をライフスタイルに合わせて選択できる柔軟さに派遣として働く魅力を感じている場合、無期雇用派遣の安定性がデメリットになる可能性も考えられるでしょう。

また、サービスによっては正社員の求人のように採用選考があり、希望すれば必ず無期雇用派遣として働けるわけではないことも注意が必要です。

アデコでは、どんな働き方が選べる?

アデコでは、ライフスタイルに合わせて自由に働きたい方には従来の「有期雇用派遣」、安定した雇用を求める方には「無期雇用派遣」というように、働く人の希望に合った働き方をご提案しています。

特に無期雇用派遣については、「ハケン2.5」「キャリアシード」「キャリアシード・エル」「デジタルキャリアシード」「テクニカルキャリアシード」の3つを、独自のプログラムとしてご用意しています。

いずれも、書類選考・適性診断・面接などの選考を経て、アデコの地域限定型社員として採用されます。さらに、派遣で就業しながら正社員を目指す人には「紹介予定派遣」を、正社員での転職をお考えであれば「転職支援」でのサポートも可能です。

ハケン2.5

2年以上の派遣就業で応募可能 アデコ独自の無期雇用プログラム ハケン2.5 ~アデコの無期雇用社員として安心して働こう~ 詳しくはこちら

ハケン2.5は、アデコ以外の派遣会社を含め、現在の職場で2.5年以上継続して派遣就業されている人を対象にしたアデコ独自のプログラムです。応募後は簡単な選考を経て、アデコの無期雇用派遣社員となります。

キャリアシード

CAREER SEED キャリアシード 事務正社員 長期キャリア形成 研修充実 OA事務や経理など、事務系のお仕事でスキルアップを目指す方を対象にアデコが提案する働き方 詳しくはこちら

キャリアシードは、OA事務や経理といった事務系のお仕事でよりスキルアップを目指す人を対象にしている制度です。アデコと無期の雇用契約を結び、当社が厳選した派遣先企業にて就業していただきます。

キャリアシード・エル

未経験から始める!事務正社員 Career Seed el キャリアシード・エル 詳しくはこちら

キャリアシード・エルは、事務未経験からオフィスワークにチャレンジしたい人を対象にしています。未経験でも安心して就業いただけるよう、研修とフォロー制度をご用意。ジョブレベルが上がると給与テーブルもアップする昇給制度もあります。

デジタルキャリアシード

デジタルキャリアシードは、未経験の方でも採用後にデジタルやITに特化した無料のオンライン研修で学んでから、アデコの正社員として活躍できる、理想的な働き方です。

働き方を選べる時代、無期雇用派遣で将来の可能性を広げよう!

無期雇用派遣は、派遣先が決まらない待機期間中でも給与が支払われるなど、有期雇用派遣と比べて経済的に安定した働き方です。その反面、派遣としての自由度は少し制限されることと、サービスによっては書類選考や面接があるというメリット・デメリットを知ったうえで、自身に合った働き方を選んでみてはいかがでしょうか。

アデコではキャリアプランや就業環境のご相談にのり、希望に合った働き方もご提案しています。実現したい目標がある人はもちろん、キャリア形成に不安がある人も、まずはアデコにご登録のうえ、ご相談ください。

無期雇用派遣を含めた多様な選択肢の中から、ご自身に合った働き方をぜひ私たちと考えていきましょう。

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