業務改善を効果的に進めるポイントは? メリットや事例まで徹底解説

業務改善は生産性向上のために欠かせない取り組みです。どのような職場でも、状況は常に変わっており、業務を見なおす余地があるといえるでしょう。

業務改善にはある程度決まったプロセスや分析手法があり、まずはセオリー通りに取り組んでみることでコツがつかめます。フレームワークの活用や、ITツールで業務を自動化することも有効です。本記事では業務改善について詳しく解説しながら、成功した取り組み事例も紹介します。

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業務改善とは? その必要性

業務改善とは、自社のビジネスや業務における問題や課題を見つけて解決し、より効率や生産性を上げることです。業務改善はなぜ多くの企業で必要なのでしょうか? 業務改善の必要性について見ていきましょう。

業務改善はなぜ必要か

近年、日本の労働者の数は減少しており、業務の改善や見直しによる生産性の向上が欠かせなくなっています。厚生労働省でも、生産性を向上させた事業所は労働関係助成金が割り増されるという仕組みを採用しており、生産性の向上を啓発しています。

業務改善を通じ、結果的にサービスや製品のクオリティを向上させることで業績向上にもつながるのです。

業務のムリ・ムダ・ムラをなくす

業務を行う上で、おのずとムリ・ムダ・ムラは発生してしまうもの。ビジネス環境の変化が著しい昨今では、都度業務を見なおす必要があるでしょう。

  • ムリ
    「ムリ」はタスクや作業といった業務の負荷が、能力や処理できるキャパシティを上回っている状況です。例えば、明らかに実現不可能な納期や保有するスキルではできない仕事などが挙げられます。

  • ムダ
    「ムダ」は必要な量よりも多く物を生産していることや、作業量が多いことを指します。在庫が多すぎたり、作業工程の中でも不要な動作や処理がないかなどをチェックしたりします。

  • ムラ
    「ムラ」はムリとムダの両方が混在してしまっている状況を指します。同じ作業者でも仕事の質が異なるケースや、チームが違うことで成果が異なることなどが挙げられます。

普段から慣例的に行っている業務も、「本当に必要なのか?」と意識することでムリ・ムダ・ムラを減らせます。

属人的な業務を標準化する

業務の属人化は、退職リスクや育成の際にマニュアル化しづらいなど、複数のリスクを抱えています。組織として一定の業務クオリティを保つためには、属人的な業務を見なおし、標準化する必要があるでしょう。

すぐに引継ぎが発生しない状況でも、マニュアル作成を行うよう心掛けるなど、標準化の取り組みを行ってみましょう。

業務改善で目指すべきもの

業務改善で目指すべきものや、あるべき姿はどのようなものなのでしょうか? 2つのポイントについて見ていきましょう。

業務の効率化

業務にかかる工数や時間を減らし、効率化することが業務改善において目指すべきものの一つです。例えばパソコン上のルーティン業務は、RPAなどのロボットを利用することによって大幅に効率化できます。

業務品質の担保

業務を効率化しても、仕事の品質が下がってしまっては本末転倒です。業務品質を担保することを前提に、業務改善を行う必要があります。業務改善を行う際には、保つべき品質をきちんと定義し、品質を担保することがポイントです。

業務改善で得られる3つのメリット

業務改善で得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか? メリットを一つずつ見ていきましょう。

人材育成の時間的コストの削減

業務改善によって不要な業務を削減したり、業務を標準化したりすることにより、マニュアル化が容易になります。マニュアルが整備されていることで、人材育成の際にかかる時間的なコストを削減できるでしょう。

金銭的コストの削減

業務改善を行うことで不要なコストを減らす効果もあります。コスト削減に最もつながりやすいのは、ペーパーレス化でしょう。これまで紙で作成していた紙資料をデジタル化することによって、コピー紙代やインク代、郵送代や紙資料の保管コスト、保管に伴う賃料を削減できる場合もあります。

また、業務を効率化することで残業代などの人件費も抑制できます。

従業員の不満が減り、働きやすい組織に

意味や意義が不明確な作業は誰にとってもストレスがたまるもの。業務の効率化をする上で、コア業務を選別し、価値の高い業務をこなし、納得感を持って働いてもらうことで、従業員の不満を減らすことにもつながります。

結果的に、離職リスクの低下にもつながりますので、企業にとってもメリットが大きいといえるでしょう。

従業員がコア業務に割く時間を増やすことで、新規事業の立ち上げなど、企業の中長期的な成長にもつながります。

業務改善のプロセスと手順

業務改善にはどのようなプロセスや手順があるのでしょうか? 順番に見ていきましょう。

1現状の問題点の洗い出し

まずはざっくりとでもいいので、業務の現状を洗い出していきます。どこに問題や課題があるのかというところから議論を進めていきます。問題点を把握するために、現状の洗い出しをする重要な段階だといえるでしょう。

2業務の見える化

業務の見える化は業務改善における重要なステップです。業務の全体像や具体的なコスト・工数を把握することにもつながるため、部署や組織にとってもメリットがあります。

図形によって業務プロセスをあらわすプロセスマップや、業務可視化ツールを利用することでも実施可能です。

アデコのデジタルBPO(ITツール×アウトソーシング)

アデコでは、AIを搭載したデジタルツールを活用したアウトソーシングをご提供しています。業務の品質を高め、生産性を向上し、貴社の組織変革の推進を一気通貫でサポートします。
3課題の設定

現状の洗い出しによって問題点が把握できたら、具体的な課題として設定します。問題と課題の違いは一体何でしょうか? 問題と課題の違いを正しく捉えて業務改善に取り組みましょう。

「問題」とは、目標と現状の差や解決すべき事項を指します。
「課題」とは、目標と現状の差を埋めるためにやるべきことを指します。

業務効率化のために複数の課題を設定した上で、課題の解決にかかる工数と効果を比較し、設定した課題の優先順位をつけていきましょう。

4課題について施策の検討と目標設定

設定した課題について、具体的な施策を検討していきます。この段階で重要なのは、施策と共に目標とするKPIを設定することです。

KPIを設定しないと、業務改善自体に効果があったのかどうか検証できず、有効な施策かどうかが分からなくなってしまうためです。改善の方法については、いきなり大掛かりなものを試すのではなく、小さく始めるのがよいでしょう。

5課題について施策の検討と目標設定

設定した課題を、具体的な作業やタスクに落とし込んで実行していきます。いつまでに完了するのか、期日を管理することが重要です。他部署も関わる業務の場合は、事前に告知や打ち合わせをして合意形成しておきましょう。

6評価

行った改善策について、あらかじめ設定したKPIと照らし合わせ、施策を評価していきましょう。業務の効率化はできたか? 属人化のリスクは減らせたか? 担当者でなくても業務が実施でき、再現性はあるか? などの複数の観点から評価することをお勧めします。

実施後の評価や振り返りを行わないと、業務改善がしっかり行えたかどうかが不明確になってしまうため、期間を定めて必ず行うようにしましょう。

業務改善における注意点

業務改善における注意点にはどのようなものがあるのでしょうか? 注意点をよく理解して、業務改善を進めていきましょう。

現場をよく理解する

業務改善の実施においては、必ず現場の意見をヒアリングした上で、業務プロセスを理解することが重要です。業務改善計画は経営幹部や管理職が計画を立て、外部コンサルタントなどが参画することもあります。

いざ業務改善を実施する際に理解や協力を得られるよう、現場や担当者との関係づくりを行いましょう。

短期的な結果を求めすぎない

業務改善は一朝一夕では行えず、時間がかかることもあります。短期的な評価を重視しすぎると、中長期的な成果を損なってしまうことにもつながりかねません。短期的な結果ばかりを求めすぎず、中長期的な視点を持ち、結果につなげていくことが重要です。

業務改善を奨励し、企業文化を醸成する

業務改善を効果的に行うためには、企業として業務改善を奨励するメッセージの発信も有効です。業務改善が評価されない企業文化では、従業員も前向きに取り組めないといえるでしょう。

業務改善に役立つフレームワーク3つ

業務改善は、フレームワークをうまく活用することでやるべきことを整理できます。業務改善に役立つフレームワークを3つ紹介していきます。

QCD

QCDは、主に製造業でよく使われますが、業務改善の際に使えるフレームワークです。Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)、これら3つの項目それぞれを適切に管理し、バランスが取れている最適な状態を目指すことで、業務改善が実現できます。

  • Quality(品質)
    商品やサービスの品質は、3つのなかで最も重要です。
    顧客に求められる品質を満たすことを優先して、業務改善の方法を検討する必要があります。
    製品の品質について満たす定義を数値化して定めることで、品質を管理しやすくなります。

  • Cost(費用)
    人件費や原材料など、生産に関するコストを管理します。変動がある場合も想定し、あらかじめ定めた予算を超えない範囲か調整しましょう。

  • Delivery(納期)
    製品を生産し、出荷して顧客に届けるまでの工程や期間について、いかに遅延することなく届けられるかを管理します。
    生産や配達のプロセスにおいて遅延がある場合は、調整する必要があります。

ロジックツリー

ロジックツリーは、問題をツリーとして要素分解していき、その解決策を探していくフレームワークです。要素を分解していくことで問題を深く分析したり、解決策にたどり着きやすくなったりするメリットがあります。

ロジックツリーを作る際には、MECE(もれやダブりがない状態)を意識して取り組むとうまくいきやすいでしょう。

バリューチェーン分析

バリューチェーンとは、アメリカの経営学者マイケル・E・ポーターが提唱した、企業活動の各段階における価値を流れとして表す考え方です。

バリューチェーンを分析することで、価値を生み出すプロセスや、自社の長所、短所を知れます。業務改善においては、どこに注力すべきかを判断する材料になります。

また分析を通じて、競合他社との差別化要因を見つけることもできます。

具体的な業務改善の施策例

業務改善のプロセスやフレームワークについてご紹介してきましたが、具体的な施策として考えられる業務改善の例を3つご紹介します。

業務内容の優先順位を決める・不要な業務をなくす

具体的な業務改善の方法として、業務の優先順位を決める方法があります。優先順位が低い業務については、どこまでの品質が必要なのかを見極めた上で、簡素化するのも良よいでしょう。また、従来の慣習から当たり前に行っている業務も、実は不要だったということも考えられます。

そうしたムダな業務は業務ごと削除してしまう方法もあります。

業務をアウトソーシングする

業務そのものをアウトソーシングするのも有効な手段です。特に手順などが決まっている定型業務はアウトソーシングしやすい業務といえるでしょう。

給与計算業務などのバックオフィス業務はアウトソーシングを活用することで、業務効率化にもつながり、また従業員の負荷が高まりがちな繁忙期対策にもなります。

RPAなどで業務を自動化する

RPAとは、Robotic Process Automationの略であり、コンピューター上で行われる処理を自動化する技術やソフトウェアを指します。定期的に発生するルーティン業務の処理などを、条件を設定したプログラム上のロボットが自動的にミスなく処理してくれることが特徴です。

RPAはあらかじめ手順が決まっている定型業務の処理を得意としています。

具体的には
・表やグラフの作成
・データのダウンロードやアップロード
・データのダウンロードやアップロード
などが行えるため、人間が作業できない夜間の処理も可能です。

人間には負荷が高い業務もミスなくこなしてくれ、業務改善が期待できます。

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業務改善の成功事例

業務改善の成功事例にはどのようなものがあるのでしょうか? 成功事例の取り組みポイントを具体的に見ていきましょう。

アウトソーシングとRPAでコア業務に専念

法人やマンション向けにネットワークサービスを提供するアルテリア・ネットワークス。企業規模の拡大により総務などの業務を、シェアードサービスに集約しています。

業務内容が多岐にわたり対応しきれなかったことから、アデコのアウトソーシングサービス利用を決定しました。

移管できる業務を全てRPAに移行したことで、従業員がコア業務に集中できる環境を構築しました。

事例詳細
アデコのアウトソーシング+RPAの導入で社員の業務は、より付加価値の高い領域にシフト

実際にサービスをご利用いただいた企業さまのケースを例に、ご利用の流れや当社のサービス内容について、ご紹介します。

コールセンター業務を見直し、効率的な運営を実現

ある企業のコールセンターでは、より高いレベルでのコンプライアンス実現のため新しい運営方法を模索していました。コールセンター業務を切り分けて見直した結果、派遣社員15名分の業務をアウトソーシングすることになりました。

同時に業務をマニュアル化することで業務の属人化を防ぎ、コンプライアンスを強化した上で、業務品質を保てる体制づくりを実現しています。

事例詳細
コールセンター業務の切り分けでコンプラリスクを回避。効率的な運営プロセスを構築

実際にサービスをご利用いただいた企業さまのケースを例に、ご利用の流れや当社のサービス内容について、ご紹介します。

KPIマネジメントで事務センター業務を改善

全国各地に事業所をもつある企業では、事務センター(シェアードサービスセンター)を新たに作ることで事務作業を効率化したいと考えていました。

この要望に対して、まずはアデコの業務分析チームが業務プロセスを可視化し、適切な業務KPIを設定しました。KPIやプロセスを定義することにより、ミスや処理速度を標準化して、より一定の業務品質を保つことが可能になりました。

プロセス管理を徹底して、コア業務に集中する体制を作った結果、業績にも良い影響があった事例です。

事例詳細
KPIマネジメントにより効率的で低コストな事務センターを運営

実際にサービスをご利用いただいた企業さまのケースを例に、ご利用の流れや当社のサービス内容について、ご紹介します。

まとめ

日々の業務において改善すべき領域は広く、抜本的な見なおしはリソースなどの観点から難しい場合もあります。そういった時には、コア業務を切り分けた上で、その他のノンコア業務についてアウトソーシングを導入することも有効です。

アウトソーシング可能な業務はコールセンター、バックオフィス業務、採用業務、営業代行などがあります。前述のRPAの活用も業務改善に非常に有効な手段といえるでしょう。

コア業務に割く時間を増やした上で、じっくりと業務改善に取り組むのもお勧めです。

弊社では、上記のような人事関連のキーワードを分かりやすくまとめ、定期的に更新しております。
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