紹介予定派遣とは? 事例や派遣との違い、よくある質問などを紹介

採用はいつの時代も企業にとって大きな経営課題のひとつです。企業が必要とする人材を短期間で採用できる派遣という仕組みは、採用課題を解決する方法として定着しました。

派遣、といっても複数の雇用形態があることをご存知でしょうか?この記事では直接雇用に切り替えることを前提とした仕組みである、「紹介予定派遣」についてメリットや活用方法、事例など詳しく解説していきます。

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紹介予定派遣とは

紹介予定派遣とは、派遣期間終了後の直接雇用を前提とした派遣の仕組みのことです。通常の派遣に人材紹介の要素が加わったもので、面接可能であるなど派遣と異なる部分もあります。

派遣期間中に企業と派遣社員双方がマッチ度合いを見極め、合意した場合に直接雇用となります。派遣期間中に適性を見ることによって、企業と労働者両方にとってミスマッチを減らせるのがメリットです。

派遣と紹介予定派遣の違い

派遣会社から通常の派遣社員を受け入れることと、紹介予定派遣を利用した受け入れでの違いにはどのようなものがあるのでしょうか? 詳しくみていきましょう。

直接雇用が前提

紹介予定派遣は通常の派遣と異なり、期間終了後に正社員、または契約社員として直接雇用することを前提としています。双方の合意があってはじめて直接雇用となりますが、あらかじめこのような前提であることを明示しておく必要があります。

紹介予定における派遣期間は、一般的な採用における試用期間の側面も併せ持っているといえるでしょう。紹介予定派遣を利用することで、企業はリスクやコストを抑えながら自社に合った人材を見極めて雇用できます。

履歴書送付や面接の有無

通常の派遣の場合は、労働者と派遣先が雇用契約を結ぶわけではないため、履歴書送付や面接は禁止されています。ですが紹介予定派遣は直接雇用を前提としているため、通常の派遣社員の採用プロセスと異なり、履歴書送付や面接をしてもよいとされています。

書類選考や面接を行うことで、互いにベストなマッチングに近づけられるのです。

派遣期間の上限

通常の派遣の場合、派遣期間は最長3年ですが、紹介予定派遣は6カ月とされています。紹介予定派遣の期間上限が、厚生労働省の定める「派遣先が講ずべき措置に関する指針第2の18 の(1)」に定められているためです。

この期間を超えて働くことはできないため、見極めや条件提示のタイミングには注意が必要です。

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派遣期間中の直接雇用

紹介予定派遣は一般の派遣と違い、派遣期間中の直接雇用への切り替えが可能です。派遣として採用した労働者がよい人材で、期間満了前にぜひ社員として迎えたいといった場合には派遣期間中の契約条件の提示も可能で、派遣先と労働者双方の合意があれば6カ月を待たずして切り替えられます。

ただし、紹介予定派遣で直接雇用へ切り替える場合には、紹介手数料が発生することには留意しましょう。

紹介予定派遣
費用
派遣社員の時給+紹介手数料
派遣期間の上限
最長6カ月
書類選考や面接
派遣期間中の直接雇用
有期雇用派遣
費用
派遣社員の時給
派遣期間の上限
最長3年
書類選考や面接
不可
派遣期間中の直接雇用
不可

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紹介予定派遣のメリット

紹介予定派遣にはメリットがいくつもあります。企業側、求職者側のメリットをそれぞれ確認していきましょう。

企業側のメリット

メリット1採用後のミスマッチを減らせる

企業側のメリットとしては、採用後のミスマッチを減らせることがあげられます。まずは派遣としてしばらく働いてもらうことで、その人の働きぶりや適正などの総合的な評価が可能です。

組織風土やカルチャーとマッチできそうかなども判断でき、採用におけるミスマッチを抑制する効果も期待できます。

メリット2採用後の育成コストを抑制できる

派遣社員は、一般的には経験者であることが多いため、まったくの未経験者を採用するよりも育成コストをある程度抑えられます。派遣元が就労前に研修をしたり、先に就労している先輩派遣社員が業務をレクチャーしたりすることも。

また直接雇用までの期間、業務に従事することで業務や組織に対する理解を深められます。社員としての育成コストを抑えやすい紹介派遣ですが、職場で十分に活躍してもらうためにも、必要な育成やレクチャーは積極的に行うのがよいでしょう。

メリット3応募者の幅を広げられる

紹介予定派遣で、あえて未経験者を採用することで、応募者の幅を広げられることもあります。今までの採用活動でアプローチできていなかった母集団から採用することで、新たな発見があるかもしれません。

未経験者を採用する場合も6カ月というマッチング期間のなかで、派遣社員の意欲やポテンシャルを判断できます。通常の選考過程では発見できない人材を見つけられる可能性も十分にありえます。

求職者側のメリット

メリット1入社後のミスマッチを減らせる

求職者側にとっても紹介予定派遣を活用することで、ミスマッチを減らせる可能性が高まります。最初から正社員や契約社員として入社する場合、自分と合わなかったと感じてもすぐに辞めたりすることはなかなか難しいでしょう。

会社の雰囲気やカルチャーなどは実際に働いてみないとわからないことも多いため、派遣期間中の業務を通じて、その会社の実態を知り、自分に合っているかどうか考えられます。また自分のスキルで業務をこなせるかどうか、という点も実務を通して把握できるため安心して就業できます。

メリット2派遣会社のサポートを受けられる

派遣期間中は派遣会社の福利厚生やサポートを受けられます。仕事に関する悩み相談や、スキルアップのための研修やセミナーを提供している会社もあります。派遣会社ごとに福利厚生などのサービスは異なるので、事前にきちんと特徴を理解しておくのがよいですね。

直接雇用にあたり雇用形態などの条件面の調整や手続きを派遣会社が代行してくれるのも、求職者にとっては大きなメリットといえるでしょう。

メリット3未経験やポテンシャル採用もあり得る

紹介予定派遣の場合、未経験でも応募できる場合もあります。派遣会社が企業とのマッチングを行うため、スキル以外の適性を評価してもらえることも十分にあります。未経験だと応募することに躊躇するかもしれませんが、気後れすることはありません。

OJTや派遣会社が用意する研修などで知識をつけながらキャリアアップも可能なので、気になる求人情報があれば、積極的に相談してみましょう。

紹介予定派遣の注意点

紹介予定派遣の利用にあたって、留意したい点を解説していきます。

企業側の注意点

紹介手数料が発生する

紹介予定派遣を利用する場合の注意点としては、紹介手数料が発生する点です。派遣費用に加えて紹介手数料が必要となるため、場合によってはコストが高くなるケースもあります。

ただし直接雇用前提とはいえ、労働者の適性がなければ採用する必要はなく、その場合に紹介手数料は発生しません。

候補者が辞退することもある

紹介予定派遣は求職者も派遣先企業も直接雇用を前提として利用するものです。ですが、紹介予定派遣だからといって、候補者が必ずしもオファーを承諾してくれるとは限りません。

条件が合わなかったり、働いてみたうえで社風やカルチャー・業務内容が合わなかったりなど、さまざまな理由で辞退されることもあることを事前に考慮しておきましょう。その場合は、新たに人材派遣会社に依頼し、人材を選びなおす手間が発生します。

直接雇用後の離職

紹介予定派遣として雇用形態を直接雇用に切り替えた後に、労働者が離職してしまう可能性はゼロではありません。紹介手数料が戻ってくるケースもありますが、離職するタイミングなどによっては戻らない場合もあります。

求職者側の注意点

直接雇用されるとは限らない

紹介予定派遣だからといって、確実に直接雇用されるという保証はないことを念頭においておきましょう。業務遂行にあたり、スキルが満たないなどの理由で直接雇用には至らないケースも考えられます。ただし、その場合は派遣会社が次の派遣先を提案してくれることが多いです。

できる範囲で業務に求められる知識を学習しスキルを身に付けるよう、心がけましょう。前向きな姿勢が評価されることも十分あります。

正社員登用でないこともある

直接雇用されることイコール正社員登用ではないことは理解しておきたいポイントのひとつです。紹介予定派遣としての期間を満了した後に、契約社員として雇用される場合もあります。

契約社員として有期雇用になる場合もあるので、契約条件などは慎重に見極めたいところです。条件を提示された際に気になることがあれば、遠慮なく派遣会社に尋ねてみましょう。

契約条件などが変わることもある

直接雇用になることで、契約条件の変更があることも覚えておきましょう。上述のとおり、必ずしも正社員ではなく、契約社員としての雇用になる場合もあります。条件が変わるタイミングで、待遇が悪くなるケースもゼロではないので、派遣元などに相談しながら条件を交渉するとよいでしょう。

手数料の相場

一番気になるコストである手数料の相場はいくらくらいなのでしょうか? 一般に紹介予定派遣の紹介手数料は、候補者の年収の15%~30%とされています。この場合の年収とは、支払い実績ベースではなく、あくまでも理論年収となることに注意してください。

たとえば月給30万円、賞与が夏と冬の年2回で2カ月分だとすると、理論年収は480万(16カ月分)。紹介手数料率が30%だとすると144万円が紹介手数料となります。求職者を募集する際には、このようにコストとなる紹介手数料を試算しておきましょう

また直接雇用後、なんらかの理由ですぐに社員が辞めてしまった場合は、紹介手数料が返金になる場合があります。

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紹介予定派遣を利用する際の流れ

紹介予定派遣を利用する際の流れを確認していきましょう。

1ヒアリング

人材派遣会社に連絡し、担当者をつけてもらいましょう。担当者が、求職者に求める具体的なスキルや業務内容などについて詳細なヒアリングを行います。この時ヒアリングした内容に沿う形で候補者の選定を行っていくことになります。

2基本契約の締結

初回の取引を行う場合は、基本契約を締結します。内容については、法務部などの該当部門でリーガルチェックを行い、気になるポイントがあれば協議をします。

3派遣社員の人選

ヒアリングした業務内容や求める人材像に基づき、派遣社員となる候補者の人選を行います。あまり厳しく条件を設定しすぎると候補者の幅が狭くなりすぎるため、担当者と相談しながら落としどころを決めていきましょう。

4面接

派遣会社が選定した候補者との面接を行うステップです。通常の派遣における採用とは異なり、紹介予定派遣では候補者を面接できます。スキルや人柄、企業風土やカルチャーにマッチしそうかどうかなどを面接で判断しましょう。今後のキャリアについてどう考えているかも確認しておきたいところです。

5労働者派遣契約の締結

面接を経て採用する人員が決まったら、労働者派遣契約を締結しましょう。法務部などと連携し、リーガルチェックを行いながら契約締結を進めましょう。

6派遣

労働者派遣契約の締結後、6カ月間の派遣期間が開始します。この間に派遣社員が求める業務スキルに達しているか、就労にあたって問題がないかなどを念頭において、直接雇用するかどうかを決定します。

7直接雇用

基本的には派遣期間満了後に直接雇用を開始します。契約を直接雇用に切り替える際に、トラブルを防ぐためにも、条件面については労働者によく説明して理解を得ておくことが重要です。

紹介予定派遣の成功事例

紹介予定派遣は採用前に業務適正があるかどうかや、自社にマッチする人材かどうかを検討できるサービスです。具体的な成功事例にはどんなものがあるのでしょうか? 事例企業の課題や効果をご紹介します。

契約社員を全国一斉採用。限られた予算でミスマッチを回避

全国で新商品の販促活動を行うために、営業担当の採用を検討中でしたが、コストを抑える必要があり、即戦力の経験者に向けた条件提示が難しい状況でした。そこで、ポテンシャルを見極められる紹介予定派遣を利用しました。

課題
  • 新商品のプロモーションのため、全国で営業担当者の採用が必要
  • コストはなるべく抑えたい
  • 業務の適性があれば未経験者でも構わないがミスマッチは避けたい
効果
  • 紹介予定派遣を活用し、必要な人材を確保できた
  • ミスマッチを恐れることなく、ポテンシャル優先での採用に踏み切れた
  • 就業中に適性を見極めることで、ミスマッチのリスクを抑制できた
ポイント
  • 紹介予定派遣の利用により、派遣期間中に適正が判断できミスマッチを抑制した

 

事例詳細
契約社員を全国一斉採用。限られた予算でミスマッチを回避した採用事例とは

実際にサービスをご利用いただいた企業さまのケースを例に、ご利用の流れや当社のサービス内容について、ご紹介します。

レッドオーシャンのIT人材、業務未経験者の採用で活路|株式会社SHIFT

ソフトウェアテスト事業を展開する株式会社SHIFT。同社は増加するニーズに対し、競争の激しいIT人材の採用が追いついていない状況でした。安定した体制を構築するために、紹介予定派遣を活用し、未経験者採用に舵を取りました。

課題
  • 事業拡大に伴ったIT人材の獲得が厳しい状況となっていた
  • 通常の中途採用では採用人数が読めない
  • 自社の受け入れ体制が十分整っていない
効果
  • IT未経験者の採用によって人材を確保できた
  • 面接に加え適性検査を行うことで、マッチング精度を高められた
  • 派遣会社とコミュニケーションを行い、課題をスピーディーに解決できた
ポイント
  • レッドオーシャンのIT人材。未経験者採用で門戸を広げ、適性検査などを実施することでマッチング精度を高められた。

 

事例詳細
レッドオーシャンのIT人材、業務未経験者の採用で活路|SHIFT

実際にサービスをご利用いただいた企業さまのケースを例に、ご利用の流れや当社のサービス内容について、ご紹介します。

紹介予定派遣のよくある質問

紹介予定派遣を利用する際におけるよくある質問をご紹介します。

Q.紹介予定派遣契約の派遣期間の制限はありますか
A.
同じ人が派遣社員として勤務する場合の上限は6カ月です。新卒者を対象とする場合も同様の6カ月が上限となります。
Q.紹介予定派遣で派遣社員が入社を希望した場合には必ず採用しないといけないのですか
A.
派遣社員の入社については、派遣先と派遣社員双方の合意が必要であるため、必ず採用する必要はありません。
Q.紹介予定派遣で採用した労働者について、直接雇用してからの試用期間は認められますか
A.
紹介予定派遣にて採用した労働者については、派遣期間が試用期間に該当すると見なされます。そのため、直接雇用した後で試用期間を設けることは認められません。

関連リンク:人材派遣のよくある質問

まとめ

今回は、紹介予定派遣についての特徴や利用の流れ、メリット・デメリットなどをご紹介しました。派遣期間中に企業と派遣社員がお互いをよく理解し見極めることができ、ミスマッチのリスクを最小化し、よりよい人材を効率的に採用できる仕組みです。

育成などにかかる手間やコストも抑えられるため、長期的に戦力をお探しの場合は、検討してみてはいかがでしょうか。

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