1on1ミーティングがうまくいかない方必見!原因&対処法・効果的に進めるコツとは

1on1ミーティングを導入している企業は多く存在していますが、実際には導入したもののうまくいかず、なかなか効果を実感できないという担当者もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、1on1ミーティングとは何なのか改めて整理したうえで、うまくいかない原因や対処法、効果的に進めるコツについてご紹介していきます。

目的をもう一度おさらいして、1on1ミーティングをうまく活用しよう

そもそも1on1ミーティングとは、部下が主役となって上司と行うミーティングのことです。

週1回から月1回ほどの頻度で定期的に行い、部下は業務の課題や悩みを上司と共有し、上司はそれに対してフィードバックを行います。では、この1on1ミーティングは1対1の面談と何が違うのでしょうか。まずは1on1ミーティングを実施する目的からご説明していきます。

1on1ミーティングを実施する目的って?

1on1ミーティングを実施する目的として、以下の3点が挙げられます。

  • 部下が自主的に行動できる状態を目指す、部下の成長の促進
  • マネジメント層による現場の把握
  • 人材の定着率の向上

これらの目的を達成することによる効果のひとつとして、職場における社員間の信頼関係の向上が挙げられます。信頼関係の向上により、部下の「成功の循環」を作ることに貢献できると考えられています。

図1 成功の循環 ①関係の質 ②思考の質 ③行動の質 ④結果の質 [プラスのサイクル] ①職場で社員間の良好な信頼関係を築く ②社員の思考が前向きになりモチベーションが高まる ③新しい行動にチャレンジする意欲が生まれる ④良い結果につながる [マイナスのサイクル] ①’職場の人間関係が悪く、不信感が募る ②’思考が萎縮して視野が狭くなる ③’前向きな行動も生まれにくくなる ④’結果も出なくなる

(参考:Power of Work「個人と組織のパフォーマンスを最大化するマネジメント ―「関係の質」「思考の質」の向上こそパフォーマンス最大化の源泉―」より)

成功の循環とは、次のようなサイクルでプラスの成果を上げていくことを言います。

  • 社員間の良好な信頼関係を構築する
  • 社員の志向が前向きになり、仕事へのモチベーションが高まる
  • モチベーションが上がることで、新しい行動へのチャレンジや学習意欲が湧く
  • 部下の自律的な行動が良い結果を生み、上司と部下の間にさらに良好な信頼関係が築ける

1on1による信頼関係の構築からスタートし、モチベーションの向上、チャレンジ意欲を高め、そして最終的に成功体験につなげることで信頼関係が維持でき、良い結果が生まれ、成功の循環は完成します。この成功の循環を構築、維持していくことで、部下の成長を促進させることが1on1の目的と言えます。

1on1ミーティングは、1対1の面談と何が違うの?

以前から、1対1の面談を実施している企業は多数あります。では、これまでの1対1の面談と1on1ミーティングは何が違うのでしょうか。

1対1の面談は、部下の評価や進捗管理などを目的とするもので上司から部下への一方的なコミュニケーションになりがちでした。一方で1on1ミーティングは、部下がどのようなキャリアを目指しているのか、どういう悩みを持っているのかを把握して、部下との信頼関係を構築し、部下の自主的な行動を促すためのコミュニケーションを目的としています。そのため、一方的なコミュニケーションではなく、対話型の質の高いコミュニケーションができます。

コミュニケーションには、一方通行と双方向のコミュニケーションがあると考えられます。

一方通行コミュニケーションでは、上司から部下への一方的な指示・命令のみになってしまい、部下の意見をくみ取ることができず、その結果、対話型のコミュニケーションと比較して、部下との信頼関係を築くことが難しくなります。

これらに対し、双方向のコミュニケーションでは、部下の情報を引き出すことで上司の考えに変化をもたらし、新しい方針やビジョンをフィードバックすることができます。また部下の視点でも、自分の意見が採用される機会が増えることで、モチベーションが上がり、意欲的に行動する動機となります。

このように、1on1ミーティングは面談と異なり、質の高いコミュニケーションによって、お互いの考えに変化をもたらし、更新されていくため、その時々のさまざまな変化にも対応しやすくなります。質の高いコミュニケーションが生む成功の循環によって、最終的に部下が自主的に行動できるようになることが1on1と面談の大きな違いと言えます。

1on1が注目されるようになった時代背景とは

1on1ミーティングが注目されるようになった時代背景のひとつとして、労働人口の減少が考えられます。厚生労働省が公開している労働力人口の推移によると、平成12年の6,766万人から平成29年には6,556万人へと減少しており、今後もさらに減少していくことが予想されています。
※参考: 厚生労働白書

そのうえ、終身雇用や年功序列といった従来の仕組みが崩れ、人材が流動的になっています。そのため、外部人材の活用やグローバル化による現地人の活用なども増え、社内の人材も多様化してきています。

また、企業のグローバル化により競争環境も変化しており、企業としては先を見通すことが難しい時代でもあります。そのため、個々の社員の主体性や創造性を高め、変化に柔軟に対応していくことが重要になってきていると言えます。

1on1ミーティングはこうした時代背景にマッチしたコミュニケーションツールと言われています。労働人口が減少し、人材が流動的になっている現在でも質の高いコミュニケーションを実現することで社員の流出を抑え、モチベーションを維持することが可能な1on1は重要度が高まってきています。

活用が難しいという声も…1on1ミーティングを導入しても挫折してしまうのはなぜ?

1on1ミーティング導入したものの、活用方法に悩む人事も…

さまざまなメリットがある1on1ミーティングを導入してみたものの、どう活用すればいいのかわからなかったり、期待していた成果を得られなかったりと悩む人事も少なくありません。効果を実感できない原因としてはさまざまなことが考えられます。

1on1ミーティングを実施しても効果が感じられない原因

1on1ミーティングの効果が感じられないのにはいくつか原因があります。ここでは人事・上司・部下それぞれの視点で考えられる原因をご紹介します。

人事目線で考えられる原因

人事目線での原因としては、1on1ミーティングを導入すること自体が目的になってしまっていることが考えられます。

どのように導入するか、1on1ミーティングのやり方そのものに注視してしまい、1on1ミーティングを導入するそもそもの目的や、その先の目標を、実際に上司として実施するマネジメント層にうまく共有できていない可能性があります。

また、目的や目標の共有以外にも、1on1ミーティングを実施するにあたって必要な傾聴スキルやコーチングスキルの向上に関するサポートができていないことや、導入ばかりに気を取られてしまい、実施内容や状況などは現場に任せっきりにしてしまっていることも原因として考えられます。

上司目線で考えられる原因

上司目線では、そもそも定期ミーティングとの違いを理解できていないまま実施してしまっていることが考えられます。

また、部下からのアジェンダがないと何を話していいのかわからず、内容に困っているというケースもあります。なぜ今までの個人面談や進捗報告ではだめなのかが、そもそも現場に伝わっていない可能性もあります。

その他にも1on1ミーティングの実施頻度が低いことや、「部下のための時間」との認識が薄いため、上司が自分の話ばかりしてしまい部下の心理的安全性を確保できず、有意義なミーティングが行えていないということも考えられます。

部下目線で考えられる原因

部下目線では、自分の業務に関する課題や進捗状況を把握できていない、上司に正確に伝えることができないといった原因が考えられます。

あくまで1on1ミーティングは部下が主体となって行うミーティングですので、上司のスキルが不足していて円滑に行えていないとしても、話すべき内容はある程度自分自身でまとめておくべきと言えます。

また、1on1ミーティングは業務に関する不平不満について直接上司に訴えかけられる少ない場なので、伝えるのは悪いことではありませんが、ミーティング内容が不平不満ばかりになってしまい、どういった改善方法を上司に採ってもらいたいのかを伝えられなければ、その場だけの話で終わってしまう可能性もあります。

より効果的な1on1ミーティングを実施するには

では、より効果的に1on1ミーティングを実施するにはどうすれば良いのでしょうか。

1on1ミーティングを実施する方法

1on1ミーティングの事前準備

1on1ミーティングを実施するにあたって、現場では事前準備が必要です。まず、上司と部下の両者が1on1ミーティングを行う目的を理解したうえで実施することが大切です。

また、上司と部下の間では次の3つのことを決めておきましょう。

  • 部下の業務内容
  • 一定期間の達成目標
  • 目標達成度合いを測る指標

事前準備の段階で両者が目的や内容を把握しておくことで、質の高いコミュニケーションを行いやすくなります。

また業務内容を把握したうえで目標を提示し、その目標は何をもって達成とするのかをはっきりさせることが重要です。これによって「できた」「できなかった」「なぜできなかったのか」「どうすれば良かったのか」といった問題の深堀を、部下自身が納得する形で行うことが可能になります。

上司が1on1ミーティングの際に持つべき心構え

1on1ミーティングを実施する際には、上司の心構えが必要です。

  • 1on1ミーティングは部下が主役だということを忘れない
  • 部下が自主的に行動できるようになるための手段である

1on1ミーティングは面談とは異なります。目的を理解したうえで上記の2つの内容を心構えとして認識しておきましょう。

話を聞いているように見えて、最後に持論で全て上書きしてしまっては意味がありません。1on1ミーティングは部下が主役という点をきちんと理解し、相手が話すことについて理解を示しながらアドバイスをしていくことが重要です。

また単にミーティングを行うことが目的ではありません。部下が自主的に行動できるようになるための手段であることを忘れないようにしましょう。

1on1ミーティングで話すアジェンダの設定

1on1ミーティングで何を話したらいいかわからず、結局雑談で終わってしまうことや、つい上司が一方的に持論を展開してしまうということがないよう、アジェンダの設定も大切です。

アジェンダの設定例

  • 業務で困っていること
  • より専門性を高める方法
  • 今後のキャリアについて
  • 体調やメンタル面の状態
  • プライベートの悩みについて

上司、部下共に1on1に対する知識が少ない場合もあるため、人事の視点では1on1ミーティングがうまくいくように誘導することが重要です。その場合、上記の例のようにアジェンダを設定しあらかじめ共有しておくことで、1on1ミーティングをサポートできます。

また、アジェンダの設定以外にも1on1ミーティングで上司に必要な傾聴スキルやコーチングスキルを向上させるためのサポートも人事で行っていけると、さらに1on1ミーティングは効果的なものとなるでしょう。

1on1ミーティングを実施する際に押さえておきたいポイント

1on1ミーティングを実施する際には押さえておきたいポイントがあります。ここでは人事目線と現場目線それぞれの注意点を説明します。

人事目線での注意点

1on1ミーティングは、導入すること自体が目的ではありません。「部下が自主的に行動する状態を実現する」ことが目的です。

そのことを現場が理解して実施できるように、人事は導入時に目的をしっかりと現場に共有して浸透させることが大切です。導入の際は、会社で一斉に導入するのではなく、部門ごとに丁寧に導入していくことをおすすめします。

まずは1on1ミーティングを積極的に受け入れてくれそうな部門から順に、導入してくというのもひとつの方法です。

現場目線での注意点

現場では1on1ミーティングの目的を理解したうえで、次の点に注意して実施しましょう。

  • 上司は部下の話に耳を傾け、先に自分の意見を言わないようにすること
  • ミーティングの場が単に雑談だけにならないようにすること
  • 次回の課題を考えてから終えること

効果を得るためにも、現場では上司も部下もこれらの注意点を押さえておきましょう。特に、上司が先に意見を言ってしまうと、部下はそれを否定したり反対意見を述べたりすることが難しくなってしまいます。上司は、傾聴する姿勢を崩さず相手の意見を引き出す努力をしましょう。

また話を聞いているだけだと何を話して良いかわからなくなり、雑談ばかりになってしまう場合があります。雑談自体がだめなわけではなく、むしろ良好なコミュニケーションを取るうえでは重要な場合もありますが、貴重な2人の時間である1on1を雑談だけで無駄にすることがないように、お互いに意識することも大切です。

1on1ミーティングで考えた課題については、次回の1on1ミーティング時に課題が解決できたのかを必ず確認する必要があります。そのうえで上司がその課題解決への取り組みに対してフィードバックを行い、PDCAサイクルを回すことによって、1on1ミーティングを有意義なものにできます。

1on1は意外に難しい!事前準備はしっかりしよう!

1on1ミーティングがうまくいかない原因はいくつか考えられますが、その根本にある大きな原因としては、「何のために行うのか、その目的が理解・共有されていない」ことにあります。

1on1ミーティングの目的である「部下が自主的に行動できるようになる」という状態は、現場視点では大変重要で、かつ業務上直接的なメリットがあります。しっかりと目的を現場に共有することで、メリットがあるため現場のモチベーションも湧き、上司の心構えにも変化があり、部下も話しやすくなるため、1on1ミーティングがより効果的になります。効果を実感できていない場合は、事前準備から見直して効果的な1on1ミーティングを行いましょう。

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