営業アウトソーシングのメリットとは?
デメリットや注意点、業者の選び方を解説

会議で握手をする二人

営業アウトソーシングは、営業活動の一部や営業部門全体を外部業者に委託するサービスです。
アウトソーシングと聞くと、事務職や経理部門や総務部門で活用されているイメージを持つ方が多いかもしれません。
アウトソーシングを利用している企業の窓口担当者・業務の管理(業務指示)者を対象に「アウトソーシングの導入状況に関するインターネット調査」を行ったところ、営業アウトソーシングを活用している企業や導入を検討中の企業は全体の27.1%との結果が出ました。

本記事では、営業アウトソーシングが必要とされている理由や背景、料金形態やメリット、デメリットを解説します。

参考・出典:Adecco「【アンケート結果】アウトソーシングの導入状況・メリット・デメリットなど」

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営業アウトソーシングが必要とされる理由や背景

前述の調査結果では、全体の3割に近い企業が営業アウトソーシングを活用もしくは導入を検討している状況です。

従来、多くの企業が自社内で完結していた営業業務をアウトソーシングする企業があるのには、どういった理由や背景があるでしょうか。

人材確保の困難化

昨今の日本社会は少子高齢化が進んでいるため、業界や業種、職種を問わず、人材確保が年々難しいとされています。

厚生労働省「令和4年版厚生労働白書」の報告によると生産年齢人口と呼ばれる15~64歳の人口が1990年は8,000万人を超えているのに対して、2021年は7,468万人と、30年で500万人以上減少しています。

結果として、人材確保できない場合は、アウトソーシングも視野に入れて人材確保する必要があると考えられます。

参考・出典:厚生労働省「令和4年版 厚生労働白書」

営業職の実態と社会的イメージの変化

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「jobtag」によると、営業職の新規開拓営業では「自社商品やサービスを知らない人に向けた営業なので断られる場面が多い」と紹介されています。

また、「飛び込み営業」では「ニーズがありそうな顧客に対してアポイントなしで訪問する」などの一面も紹介されています。

営業職の目的は自社の売上と利益の最大化のため、ノルマ(営業目標)を設定している企業も多く、ノルマの厳しさを理由に離職を検討する人もいるようです。

参考・出典:厚生労働省「jobtag」

営業アウトソーシングの形態

営業アウトソーシングには、主に「営業代行」と「SPO」の2種類のサービスがあります。

営業アウトソーシングと似たサービスに「営業派遣」もあり、他社から営業に関する人材リソースの提供を受ける方法はさまざまです。

営業代行

営業代行とは、社内で不足する営業リソースの補充を目的とした営業活動の代行サービスです。

営業担当者の人数が足りない量の補填や、営業活動の成果アップを目的とした質の向上を目的とした営業代行も存在します。

SPO

SPOは「Sales Process Outsourcing セールスプロセスアウトソーシング」の頭文字をとった略称です。

セールスプロセス、つまり営業活動の一部を外部業者に委託するサービスで、発注元企業の営業部門や営業担当者と分業、協業しながら同じ案件に取り組む形態のアウトソーシングサービスです。

営業派遣との違い

営業派遣は、営業職の人材を外部業者から受け入れる点では、営業アウトソーシングと同じです。違いは、派遣される人材の「指揮命令権の所在」です。

営業アウトソーシングの場合、指揮命令権はアウトソーシング業者ですが、営業派遣では派遣された企業の指示に従って活動します。

営業アウトソーシングは、業務自体を外部企業に委託するサービスですが、対して営業派遣は、業務自体を委託するのではなく、自社で取り組む営業活動に不足する人材リソースを受け入れたい時に適しています。

営業アウトソーシングの料金形態

営業アウトソーシングの料金形態は「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型」の3種類です。各特徴を以下の表にまとめました。

料金形態 特徴
固定報酬型
  • 成果に関わらず、毎月決められた額の報酬を支払う
  • 委託業者に支払う報酬額が一定のため、予算管理が容易
成果報酬型
  • 成果に応じて報酬額が変動する料金形態
  • 成果と報酬が連動しているため、損失が出にくい
複合型
  • 固定報酬と成果報酬をミックスした料金形態
  • 固定報酬をベースに、成果に応じたインセンティブが上乗せされる

営業アウトソーシングに対する予算を固定し、予算管理を重視するケースでは固定報酬型が選択されますが、期待した成果が出ない場合に大きな損失が出るリスクが存在します。

一方、成果報酬型の場合は、成果に応じたぶんの報酬を支払うため、委託先企業のモチベーション維持にも効果的で、損失のリスクを軽減できます。

固定報酬型は委託先企業に、成果報酬型は委託元企業にメリットがあります。複合型は固定報酬型と成果報酬型の特徴が取り入れられていて、委託元企業と委託先企業の双方にメリットが出やすいです。

営業アウトソーシングのメリット

営業アウトソーシングを導入するメリットは、不足する人材リソースの補充が可能な点ですが、人的充足以外にはどういったメリットがあるでしょうか。

コスト削減になる

営業アウトソーシングを活用するメリットのひとつは、コスト削減効果が見込める点です。

自社内で営業組織を完結する場合、人材採用のコストや教育コストなどさまざまなコストが発生します。

しかし、営業アウトソーシングを活用して、業界経験者などを受け入れるケースでは、最低限の教育だけで実務に就けるため教育コストが削減できます。

人件費の面でも、自社で採用した正社員の場合には給料に加えて、社会保険料などが上乗せして発生しますが、営業アウトソーシングを活用すると社会保険料などが発生しない点もメリットです。

新しい知見が得られる

営業アウトソーシングを活用するメリットの2つ目は、委託先企業が持っている営業ノウハウやナレッジなどが得られる点です。

営業アウトソーシングのサービスを行っている企業は、営業活動に課題を抱えるさまざまな企業に関わり、課題解決に有効なノウハウやナレッジを有しています。

営業アウトソーシングを活用すると自社にはない営業活動の課題解決に有効なアプローチ方法などが獲得できます。

さらに、営業現場に外部企業の視点を持ち込むと、現状の問題点や課題への気づきが得られ、自社組織の改善にも繋がります。

新興企業で自社内に蓄積されたナレッジが少ないケースや、リモート営業など新しい営業手法の経験やナレッジがない場合には有益な情報を得られるでしょう。

営業アウトソーシングのデメリット

営業アウトソーシングを導入すると、人材リソースの充足が可能なだけでなく、さまざまなコスト削減が期待でき、自社にはない営業ナレッジを得られるメリットがあるとわかりましたが、デメリットも紹介します。

自社の内部状況を開示するリスクがある

営業アウトソーシングを導入するデメリットの1つが情報漏洩のリスクです。

営業活動を委託する以上、企業情報を開示する必要があります。状況次第では、本来外部企業には開示できない内部の機密情報や企業の現状や課題、問題点が意図せずに知られてしまうケースもあるでしょう。

日常業務で頻繁に使用する顧客情報などは漏洩するリスクがあると覚えておきましょう。

自社組織や人材の弱体化する可能性がある

営業アウトソーシングを活用するなかで業績が向上し、期待以上の成果が得られると、委託先企業への依存度が高まりやすいです。

営業アウトソーシングへの依存度が高くなるにつれて、当初は自社組織や社員が担当していた重要業務も、委託先企業が担うケースもあるでしょう。

営業活動は、業務を通じてスキルアップするため、自社組織や社員が重要業務から離れてしまうと、組織や人材の弱体化を招くかもしれません。

営業活動はアウトソーシングで完結すると決まっているなら問題ありませんが、自社組織の補完的に営業アウトソーシングを導入する場合は、委託先企業への過度な依存に注意して、自社組織とのバランスを考えた事業運営が重要です。

営業アウトソーシングが向いている業務

営業業務に関わらず、外部企業にアウトソーシングしやすい業務として「業務量が一定」「業務をマニュアル化しやすい」「イレギュラー対応が少ない」「業務習得がしやすい」などがあげられます。

営業の領域では「ルート営業」「新規開拓営業」「インサイドセールス」がアウトソーシングに向いています。各営業業務の特徴を解説します。

ルート営業

ルート営業は、決まった顧客へ定期的に訪問し、納品業務や請求業務を中心に製品PRなどを行う営業形態です。

顧客が固定されている点や担当業務もイレギュラーな対応が少ないため、ルート営業はアウトソーシングに向いています。

定期訪問が必要な取引先に対して、人材の確保が難しく訪問頻度が低下する、もしくは訪問できなくなると競合が参入してくるリスクがあるため、営業アウトソーシングの活用が有効です。

新規開拓営業

新規開拓営業は、取引がない顧客候補先に訪問し、新規の取引アカウントを開設する営業形態です。

新規営業はルート営業と異なり、顧客は固定されていないため、業務もマニュアル化が難しい業務です。

未経験者では成果が出るまでに時間やコストがかかるため、十分な営業人材の育成や確保ができていない時に、営業アウトソーシングを活用し、新規開拓の経験や実績が豊富な即戦力人材を受け入れると短期間での成果創出が可能かもしれません。

インサイドセールス

インサイドセールスは、主に電話やメール、DMを使用して行う非訪問、非対面の営業活動です。

従来の営業活動の主流は、取引先などに直接訪問する外勤型でしたが、セキュリティやコンプライアンスへの意識が高まるなかで飛び込みでの訪問が難しく、移動時間など業務上のロスが多い点が課題でした。

インサイドセールスは、リモートで対応可能なコミュニケーションツールを活用する営業活動のため、効率的な活動が可能です。取引先の情報収集や情報提供、潜在顧客の探査と契約獲得に有効な営業手法です。

さらに、コールセンターとあわせた活用が可能なため、取引先への能動的なアクションのほか、取引先やユーザーからの問い合わせに対する受動的なリアクションにも効果的です。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、自社の製品やサービスを利用するユーザーの満足度向上のために働きかける方法です。

従来のビジネスでは、消費者が製品やサービスを購入して所有するスタイルが主流でした。

しかし、昨今では、購入せずに毎月利用料を支払って利用する、サブスクリプション形式の継続課金によるビジネススタイルを採用する企業が増加しています。

より長く製品やサービスを利用してもらうために、ユーザーの満足度向上は欠かせないため、カスタマーサクセスは情報収集をして問題解決を行ったり、製品力を高めたりする活動をします。

この過程で、カスタマーサクセスチームは顧客との定期的なコミュニケーションを通じて、顧客が抱える潜在的なニーズや課題を発見します。そして、それらのニーズや課題に対応する形でアップセルやクロスセルの機会を提案することで、顧客の成功と同時に、ビジネスの収益増加にも寄与するセールス要素が含まれます。

アウトソーシングサービス

アデコには、25年以上のアウトソーシング経験があり、累計12,000件以上の委託実績があります。

アデコが提供する営業アウトソーシングサービスに興味がある方は、下記のリンクよりご確認ください。

営業アウトソーシングを導入する際の注意点

営業アウトソーシングには、メリットだけでなくデメリットも存在します。

営業アウトソーシングを導入する際は、デメリットを理解して、事前にリスクも検討した上で導入しましょう。

機密情報の管理を徹底する

営業アウトソーシングを導入するデメリットでも紹介しましたが、外部企業の社内介入による機密情報漏洩のリスクには注意と対策が必要です。

営業アウトソーシングの導入検討時点で、社内の情報管理体制を見直しましょう。さらに、営業アウトソーシング導入後には情報管理の徹底が避けられません。

行動管理フローを確認する

営業アウトソーシングの場合、派遣される社員の指揮管理の権限は委託先企業にあり、派遣される社員の行動管理ができません。

導入前に委託先企業と社員管理のフローなどを確認しましょう。営業アウトソーシングの導入後は、行動管理ができないぶん、より密接なコミュケーションを心がけ、行動を可視化する姿勢も大切です。

営業アウトソーシングの委託先の選び方

営業アウトソーシングの委託先業者を選ぶ際は、アウトソーシングする業務範囲を明確にし、料金形態やコストから費用対効果などを算出し検討しましょう。

本章では、営業アウトソーシングの委託先業者を選ぶ際のポイントを紹介します。

アウトソーシング業務が得意な業者を選ぶ

委託先企業によって得意とする業務範囲が異なります。

アウトソーシングする業務を明確にした上で、委託予定の業務を得意とする企業を選定しましょう。

営業アウトソーシングの実績から選ぶ

いままでの請負内容や件数などの実績で選定するのもひとつの方法です。

対応してきた業種や業界、アウトソーシング委託元企業の規模、アウトソーシング業務の平均継続期間、派遣した社員数などを参考に、自社の状況や課題に適した実績を持つ企業を選定しましょう。

まとめ

営業アウトソーシングは、人材確保が難しい現代で活用する企業が増えています。営業アウトソーシングには、人件費の削減や新しい営業手法のノウハウ獲得のメリットがあります。

しかし、機密情報の漏洩リスクや派遣される社員の行動管理が難しいなどのリスクやデメリットには注意が必要です。

自社の課題などからアウトソーシングする業務を明確にして、ニーズにあう業者の選定が大切なので、委託先企業を選定する際は、企業の特徴や強み、過去の受託実績も考慮しましょう。

営業組織に課題を抱える企業様には、アデコの営業アウトソーシングサービスがおすすめです。

「既存のお客さまへの対応に追われ、新規のお客さまへのアプローチができない」「中長期的な成長を目指したいが、今月の売上を優先してしまう」「有能な経験者を社員として採用したいが、適任者がいない」などの課題はありませんか。

アデコでは、営業スタッフの人材派遣から、アウトソーシングによる営業活動の実践まで、さまざまなニーズにお応えします。

アデコは全国各地に拠点を持ち、1996年から25年以上におよぶ豊富な経験を活かして、営業職にとどまらず、マーケティング関連の人材派遣やコールセンターのアウトソーシングなど、多くの実績があります。目的や課題に応じて、最適なソリューションをご提案します。

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