Q27 子の看護休暇

2017年1月から育児介護休業法の改正により、子の看護休暇の半日単位取得が認められていますが、当社は始業9時、就業18時、休憩は正午から1時間です。この場合の半日とは、どのように定義されるのでしょうか。

原則は、1日の所定労働時間の2分の1を半日とします。1日の所定労働時間が8時間であれば4時間が半日となりますが、ご質問の勤務形態では午前中3時間勤務したところで休憩が入ってしまいます。休憩時間に労働義務はなく、労働義務のないところに休暇を請求することはできないので、半日は9時から14時(休憩1時間を除く)、または14時から18時の4時間となります。14時を半日の境目とすることが適当ではないのであれば、労使協定により原則の半日と異なる時間を定めることが可能で、9時から12時、13時から18時を半日と定めることができます。半日を定める際に1日の所定労働時間に1時間未満の端数がある場合は1時間に切り上げるため、1日の所定労働時間が7時間45分の場合、8時間として取り扱いますが、取得の単位となる半日の時間数は、1時間に満たない端数があってもよいとされています。

変形労働時間制を採用していて1日の所定労働時間が労働日によって異なる場合、変形期間中の1日平均所定労働時間の2分の1を半日とします。フレックスタイム制や裁量労働時間制も同様に労使協定で定める所定労働時間の2分の1を半日とします。

看護休暇制度は無給でもよいとされているので、その場合は看護休暇を取得すると賃金の欠勤控除の問題が生じます。労使協定で半日を午前3時間、午後5時間とし、日給8千円で勤務する者が午前半日の看護休暇を取得した場合の欠勤控除は、半日の賃金4千円を控除するのではなく、看護休暇の取得時間に応じた賃金を控除するので、午前3時間は3千円、午後は5千円を控除します。ただし、取得日数の計算は取得時間にかかわらず半日とカウントするため、午前を2回取得した場合でも1日の看護休暇を取得したものとみなされます。

POINT派遣社員の看護休暇への対応

派遣社員の場合、看護休暇を付与し残日数を管理しなければならないのは派遣元ですが、育児介護休業法第16条の4で定める子の看護を理由とする解雇、その他不利益取り扱いの禁止に関しては、派遣先の使用者も事業主としての責任を負います(派遣法第47条の3)。

Profile

答える人
社会保険労務士 中宮 伸二郎 (なかみや しんじろう)

立教大学法学部卒業後、流通大手企業に就職。2000年社会保険労務士試験合格し、2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。労働法に関する助言を通じて、派遣元企業、派遣社員双方に生じやすい法的問題に詳しい。2007年より派遣元責任者講習講師を務める。

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