日本語講座 上司との会話2

上司との会話でありがちな誤った表現をご紹介します。それぞれ正しい表現を学びましょう。

1誤った表現例
体調がいまいちなんで、休まさせていただきます。
1正しい表現例
体調がすぐれませんので、休ませていただきたいのですが、よろしいでしょうか?

「いまいち」は、「いまひとつ」から生まれたくだけた表現です。症状をはっきり伝えられる場合は、「39℃の高熱で」「咳が止まらないので」などと明確に伝えます。「休まさせて」は、不要な「さ」が入ったいわゆる「さ入れ言葉」です。また、休暇は当然の権利とばかりにNG例のような表現は避けましょう。突然の欠勤は周りに迷惑をかけることになるので、上司の許可を得る必要があります。丁寧な言葉を使いましょう。

2誤った表現例
課長、○○様(お客様)が来ました。応接室に通しましたので、行かれてください。
2正しい表現例
課長、○○様(お客様)がお越しになりました。応接室にお通ししましたので、いらっしゃってください。

その場にお客様がいなくても、お客様の行為は尊敬語を使って表現します。「見えました」→「いらっしゃいました」、「おいでになりました」→「お越しになりました」の順に敬意のレベルが上がるとされています。また、「通しました」ではなく、自分を低め、お客様を高める「お通ししました」という謙譲語を使います。「行かれる」は、「行く」に尊敬語の「れる」をつけた表現ですので、誤りではありませんが、敬意のレベルが低いことを覚えておきましょう。

3誤った表現例
(表の作り方を聞かれ)課長、エクセルはおできになりますか? 必要であれば、教えて差し上げます。
3正しい表現例
課長、エクセルはお使いになりますか? よろしければ、ご説明いたします。

上司の能力を問うような質問の仕方はNGです。このようなシーンでは、さらりと尋ねます。「お使いになる」は、「使う」の尊敬語で、相手を高める表現です。「教える」という言葉を使うと、「生意気」「見下している」などという印象を与える恐れがあります。また、「○○して差し上げる」は、恩着せがましくなりかねない表現ですので使用する際には注意が必要です。このようなシーンでは、上司の体面に配慮し、上司を立てながら懇切・丁寧に説明してみましょう。

Column 「一段落」

「仕事が一段落したら休憩しましょう」「一段落したら次の仕事に取りかかってください」などと使われる「一段落」は、「ひとだんらく」「いちだんらく」のどちらの言い方が適切なのでしょうか。どちらも使われていますが、正解は、「いちだんらく」です。「ひとだんらく」と言う人が増えてきた理由は諸説ありますが、同じような意味で使われる「一区切り」を「ひとくぎり」と言うことや、「一段落」の後に続くシチュエーションで使われる「一休み」「一息入れる」を「ひと…」と言うことから「ひとだんらく」と言う人が増えてきたのかもしれません。「一段落」は「いちだんらく」、と覚えてしまいましょう。

Profile

監修:山岸弘子

NHK学園※「通信敬語講座」専任講師。航空会社接遇資料作成協力、TVクイズ番組敬語問題監修にも携わり、研修、講演を全国で行う。著書に『敬語のルール』(明日香出版社)など、多数。

 

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