アデコの取り組み

アデコの取り組み

多様な働き方の推進に不可欠な「無期雇用派遣」

──アデコは2016年7月に事務系の無期雇用派遣「キャリアシード」をローンチするなど、早くから無期雇用派遣に前向きに取り組んでいます。総合人財サービス企業であるアデコが、無期雇用派遣を推進している経緯や背景はどのようなものでしょうか。

私たちは2016年の中期経営計画において、「キャリア開発があたりまえの世の中をつくる」というビジョンを掲げました。労働力人口の減少やAI・ロボティクス化など、企業の経営環境が大きく変わるなかで、当社は働く人々の成長に責任を持ち、力のある人材を育てることで企業の生産性向上に貢献していきたいと考えています。

このビジョンを実践していくうえでは、さまざまな人材がその能力を発揮できるような多様な働き方を推進していくことが不可欠です。「無期雇用派遣」もそのような多様な働き方の一つになります。これまでの一般的な有期雇用派遣が「フレキシビリティ」を重視するのに対し、無期雇用派遣は「キャリア形成」を重視した雇用形態であるといえます。人財サービス企業が担うことのできる社会的役割のひとつとして「失業なき労働移動」があります。当社は無期雇用も推進することで、働く方々に安定した雇用環境を提供しながら、キャリア開発を一層促していきます。それによって、アデコの限定社員でありながら、より高度な職種や希望の業種にいつでもキャリアチェンジすることができるようになります。一方、企業の皆様に対しては、モチベーションが高い優秀な人材を長期で派遣することが可能となり、さらなる生産性の向上に貢献できると考えています。

アデコ株式会社
キャリア推進室 室長
増山 辰祐

無期雇用派遣の注目度が高まったのは労働契約法や労働者派遣法の改正が直接の要因ですが、当社では経営ビジョンの下、単に法改正に対応するというだけでなく、「無期雇用派遣市場」という新たな人材マーケットを切り拓いていくという明確な意識を持って取り組んでいます。

長期的に社内業務に精通した人材を確保できる

──企業にとっての無期雇用派遣の魅力とは。

企業の人材ニーズに柔軟に対応でき、なおかつ雇用期間に制限がないという点が最大の魅力です。
また、コストの面でも無期派遣の方がメリットのある場合が多いこともおすすめできるポイントです。

下の図に示したように、人材は「直接雇用か、間接雇用か?」「期間制限があるか、ないか?」という2軸で整理できます。労働契約法や労働者派遣法の改正に伴い、直接雇用の契約社員や有期派遣社員は、5年や3年といった期間を過ぎると、直接雇用や無期雇用などの対応が求められるようになりました。

期間の制限あり-契約社員,パート,アルバイト,有期派遣社員/期間の制限なし-限定型社員,非限定型社員,無期雇用派遣 直接雇用-契約社員,パート,アルバイト,限定型社員,非限定型社員/間接雇用-有期派遣社員,無期雇用派遣 契約社員,パート,アルバイト=労契法5年の制約/限定型社員,非限定型社員=期間制限はないが柔軟性はない/有期派遣社員=派遣法3年の制約/無期雇用派遣=柔軟性かつ期間制限なし 無期雇用派遣,請負化

優秀な人材に長く働いてもらいたいと考える一方で、人材ニーズに柔軟に対応できる余地も残したいと希望する企業は少なくありません。「無期雇用派遣」は柔軟性があり、なおかつ期間制限がないため、そのような企業の期待に応えるサービスといえます。

また派遣の活用においては「見えないコスト」に留意が必要です。受け入れている有期派遣社員が期間制限をむかえる場合の企業の対応策として、数年おきに新しい有期派遣社員の入れ替えを行う方法があります。その入れ替えの際には、引き継ぎや再教育のための費用が発生し、担当する職務内容が複雑であればあるほど、引き継ぎや再教育を担当する他の社員たちへの負担にもなりえるのです。そして、一度入れ替えをしても、その後任者が長く続くとは限りません。その後何人かの入れ替えを経てやっと長く続けられる人に出会うようなケースは少なくないと思います。こうしたコストは見えにくいですが、10年といった中長期で考えると無視できるものでもありません。

無期雇用派遣は派遣会社が限定社員として雇用し、派遣する形態なので、料金だけを見ると有期雇用派遣に比べ割高だと考えられがちです。しかし上述のような理由により、担当してもらう職務内容によっては、中長期の総コストで見ると無期雇用派遣の方が結果的に割安にもなりえるのです。
企業としても、自社の業務を熟知した優秀な人材に長く働いてもらうことは、コスト以上の安心感を得られるはずです。

「転換型」と「付加価値型」を両輪とする無期雇用派遣を展開

──アデコが提供する無期雇用派遣はどのようなサービスでしょうか。

当社では無期雇用派遣を「転換型」と「付加価値型」の二つに分類し、企業のニーズに合わせてご提案しています。

「転換型」とは、労働契約法の「5年ルール」に伴って2018年4月1日以降に発生する有期労働契約で雇用している従業員の無期転換や、労働者派遣法の「3年ルール」に伴って2018年10月1日以降に訪れる個人の期間制限による無期雇用化の転換対応など、顧客企業へのソリューションのひとつとしてご提供するものです。当社には2018年3月末以降の1年間で、約1万人の無期転換対象者がおり、転換型の無期雇用化に向けて、準備を進めています。現在の有期雇用派遣のボリュームゾーンが30〜40代の女性であるため、転換型無期雇用社員の構成もほぼ同様になる見込みです。

一方、「付加価値型」とは、実務経験とスキルをもつ優秀な人材を厳格な選考基準によって採用し、企業へ無期雇用派遣するサービスです。当社には事務系の無期雇用派遣「キャリアシード」と、IT・エンジニア系の無期雇用派遣があります。即戦力を求める顧客ニーズに応えるため、必要な技能と実務経験を有する人材を採用。さらに独自の研修プログラムなどを通じて、継続的なスキルアップと高いモチベーションを維持し、派遣先企業の成長と生産性向上に最大限貢献することを目指しています。

人材に適した雇用のあり方を考える契機に

──アデコが提供する無期雇用派遣の特徴や強みはどのようなものでしょうか。

当社は、お客様のニーズに合致した即戦力となる優れた人材を派遣できるよう、三つの重点施策に取り組んでいます。これらは当社の人材派遣サービスの大きな特徴にもなっています。

①キャリアの道標となるキャリアマップ

財務、人事、経理、営業、金融といった計71の職種ごとに、どのレベルの技能がどのぐらいの市場価値を持つのか、きめ細かくレベル定義したキャリアマップを構築しています。これによって派遣社員に対し、より的確なキャリアの方向性を示すことができます。

②職種×エリアの標準料金表

全国を42のエリアに分け、それぞれにおける71の職種ごとの標準料金を4段階で設定した料金表を作成しています。

①と②を活用することで、派遣社員一人ひとりのパフォーマスや能力を詳細にアセスメントでき、キャリア形成をより高いレベルでサポートすることが可能になります。

③キャリア開発を導くキャリアコーチ

当社では、営業担当者とは別に、派遣社員のキャリア形成を継続的に支援する「キャリアコーチ」を置いています。派遣社員ごとに専任担当となるキャリアコーチを配属し、一人ひとりのスキルとキャリアプランに寄り添いながら、適切なサポートとコーチングでモチベーションを高めていきます。

キャリアコーチと営業担当者が密に連携・情報共有しているからこそ、派遣先企業に対し、常に優秀な人材を的確に派遣できるのです。これは他社には見られないアデコの大きな特徴であり、強みといえます。

──最後に、無期雇用派遣について企業がぜひ知っておくべきことはどのようなことでしょうか。

単に法律が変わったから無期雇用派遣の活用を検討するということではなく、自社の抱える人材を改めて把握するとともに、その能力を最も発揮できる雇用のあり方について考える大きな契機にしていただくのが良いのではないかと思います。

契約社員や派遣社員も含め、現在、どの部門にどんな人材がいるのか。業務・職務ごとにどのような技能や資質が求められるのか。それぞれに最も適した雇用形態は何か……。これらをじっくり検討していくと、無期雇用派遣が重要な役割を果たす部門もあれば、引き続き有期雇用派遣を活用すべき部門もあるということが見えてくるでしょう。なかには、有期契約社員を当社へと転籍していただき、業務を請負化するケースや、派遣社員を正社員化すべきケースも出てくるかもしれません。社内の人材と役割・責任に関する“棚卸し”をして、はじめてこれらが明らかになります。今後は限られた人材を最大限に生かすことを考えるべき時代。一人ひとりの人材を把握することは大変重要になってきます。

2018年は無期転換だけでなく、雇用のあり方全体を見直す大きな契機となる年になりそうです。とはいえ、どこから手をつけたら良いのかと戸惑っている企業も多いでしょう。無期雇用派遣の活用も含めて、早めの対策が必要です。ぜひ当社のようなソリューションをもつ総合人財サービス企業にご相談ください。

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