アデコが田中研之輔教授をゲストに迎えた招待制イベント
「人的資本ラウンドテーブル」を開催

2024年3月8日、アデコ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎 健一郎、以下「アデコ」)において、「人的資本ラウンドテーブル」が開催されました。

このイベントは企業人事様や経営者様を対象にした、招待制の対面型フォーラムです。特別ゲストとして法政大学の田中研之輔教授をお迎えし、人的資本経営に関する知見を深めながら、参加者同士の交流を図ることを目的に開催されました。

「今、企業変革の鍵は人事が握っている」

イベントの冒頭、田中研之輔教授は「今こそ人事は変わらなければならない」というメッセージを強く訴えました。

企業において人事施策が経営戦略と連動しないまま実施されてしまう例は多く、人事には戦略に沿った施策を遂行するための判断力が求められています。例えば「前年踏襲を理由に、同じ研修を繰り返してしまっている」といった事例は、様々な企業で起こりうることです。しかしながら、各研修に対する妥当性の判断は経営層にとって困難である場合が多く、実際に現場を見ている人事が戦略的に考え、適切にジャッジをしていかなくてはなりません。

そうした背景を鑑み、田中研之輔教授は人事がトレーニングすべきポイントとして二つの領域を提示しました。すなわち「意思決定」と「予算配分」です。人的資本経営が急速な盛り上がりを見せる昨今、人事は自社で行われる人的資本投資が適切であるか否かを自ら考え、声を上げていくスタンスが求められています。さらに経営陣や財務部門と積極的に連携することで、人事施策の戦略的実施を実現し、企業の成長と従業員のエンゲージメント向上を目指すべきであると訴えかけておられました。

また、アデココンサルティング部部長の古河原久美は、多くの企業が「人事施策の効果検証」に難しさを感じているという見解を提示します。日本では人的資本経営という言葉が一般化する前から、人的投資に積極的な企業が多く見られました。しかしマインドの高い企業においても、経営戦略に紐づいた人事施策の数値化やKPI設計、影響や効果の可視化まで、これらを精緻に実践できている企業はごくわずかであると指摘しました。

田中研之輔教授監修のワークショップ「今日はあなたがCHRO!」

本イベントのメインコンテンツは、参加者が「架空企業のCHROに就任した」という設定で行われる、疑似体験型のワークショップです。アデコは本イベントのために、田中研之輔教授監修の下、新たなカードツールを開発。参加者はそのカードを駆使しつつ、人的資本経営推進のための施策の構築を目指します。

制限時間が刻一刻と迫る中、各テーブルにおいては白熱した議論が展開。さらに田中研之輔教授自らが参加者同士の議論に積極的に混ざることで、さらなる発想の広がりを促していきます。

「所信表明演説」と題されたチーム発表は、まさに現役の人事様ならではの高度なプレゼンテーションの応酬となりました。一方、発表に対し田中研之輔教授が行うフィードバックは、参加者に対し大きな気付きを促していたように見受けられます。例えば「施策を打つ順序を変えた方が、効果性が高まる」「メッセージの出し方にポイントがある」など、具体的かつ本質を射抜くアドバイスの数々は、自社の計画を立案する際におけるヒントになったのではないでしょうか。

img_01

「人的資本ラウンドテーブル」がもたらす意義

2023年、人的資本情報の開示義務がスタートしました。これにより日本における人的資本経営に向けた動きは一気に加速され、大企業はもちろんのこと、今や中小企業においても急速にニーズが高まっております。

そして今後は、各社の優位性や独自性の成長(グロース)に注目が集まることが予想されます。そのためには、各社の人事同士が深い情報を共有することにより、自社の差別化ポイントを見出す事が不可欠です。

私たちはこの「人的資本ラウンドテーブル」を開催することで、人事様同士の強固なネットワークを促進し、日本の人的資本経営をさらに盛り上げたいと考えている次第です。
(なお「人的資本ラウンドテーブル」は、今後も四半期に一度の開催を予定しております。)

今後もアデコは人材サービスにおけるグローバルリーダーとしての多様な取り組みを通じ、働く人々や企業が躍動できる環境の構築を進めてまいります。

img_01

アデコが提供する「人的資本経営コンサルティング」

人事方針策定/KPI策定~施策推進・システム基盤整備+開示戦略まで、組織の持続可能な成長を支える人的資本経営をご支援します。

*課題や傾向、メソッドなど、ノウハウが詰まった資料を無料でダウンロードいただけます。

田中研之輔氏 プロフィール

博士号 専門:キャリア開発 組織アナリスト
株式会社 キャリアナレッジ 代表取締役社長
一般社団法人 プロティアン・キャリア協会 代表理事
法政大学キャリアデザイン学部 教授
UC.Berkeley 元客員研究員/Melbourne University 元客員研究員
日本学術振興会 元特別研究員(PD:一橋大学/SPD:東京大学)
著書32冊・社外顧問 35社歴任

<著作リスト・一部>

『プロティアンシフト』(2023.5)
『社員がやる気をなくす瞬間』(2022.12)
『人的資本の活かしかた』(2022.8)
『キャリアワークアウト』(2022.7)
『今すぐ転職を考えてない人のためのキャリア戦略』(2022.4)
『新しいキャリアの見つけ方』(2022.1)
『プロティアン教育ー三田国際学園のキャリアエスノグラフィ』(2021.11)
『ビジトレー今日から始めるミドルシニアのキャリア開発』(2020.6)
『プロティアンー70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本論』(2019.8)
『教授だから知っている大学入試のトリセツ』(2019.3)
『辞める研修 辞めない研修ー新人育成の組織エスノグラフィー』(2019.3)
『先生は教えてくれない就活のトリセツ』(2018.7)
『ルポ 不法移民ーアメリカ国境を越えた男たち』(2017.7)
『実践するキャリアオーナーシップ』(2024.3)
『進化するキャリアオーナーシップ』(2024.3)
※『グロース・マネジャー』(2024 刊行予定)

古河原 久美 プロフィール

アデコ株式会社 コンサルティング部 部長/ISO 30414リードコンサルタント/アセッサー
2007年大学卒業後、大手証券会社に入社。2014年米国へ渡米し現地にてMBA取得、大手総合商社の米国法人にて勤務。帰国後、2016年より大手IT企業にて幅広い人事課題解決に取り組む。2021年7月にアデコに入社し、コンサルティング事業の立ち上げに参画。2022年6月より現職。

お役立ち情報 に戻る

人材に関するお悩みがございましたらお気軽にご連絡ください

人材に関するお悩みがございましたらお気軽にご連絡ください