高齢者が座ってできるレク15選!道具がいらないものや身体を動かせるものもピックアップ!

高齢者が座ってできるレクにはさまざまな種類があります。実際に施設で行う際は、利用者の健康状態や人数、個人の得意・不得意などを考慮して選ぶことが大切です。本記事では、高齢者が座ってできるレクについて、手順とともに紹介します。

「自分の勤める施設で利用者向けのレクを行いたいが、何をやれば良いのか?」
「高齢者向けのレクにはどんな種類がある?」

高齢者が座ってできるレクには、多くの種類があります。適切なレクを選ぶことで、安全に楽しく利用者の運動不足の解消や脳のトレーニングにつながることが魅力です。施設で行う際は、利用者の健康状態や人数、個人の得意・不得意などを考慮してレクを選びましょう。

本記事では、高齢者が座ってできるレクについて、手順とともに紹介します。

【目的別】座ってできるレクの種類

老人ホームやグループホームなどでは、利用者と一緒にレクを行うことが多くあります。レクにはさまざまな種類があるため、利用者の状況に合わせて実施することが重要です。体を動かしたり脳を刺激したりすることで、利用者の健康維持にもつながるでしょう。

今回は、数多く存在するレクの中から「高齢者が座ってできるレク」について、以下4つに分類して紹介します。

  • 運動系のレク
  • 脳トレ系のレク
  • 大人数で楽しめるレク
  • 道具なしでできるレク

利用者の数や体の状況、得意・不得意などに合わせて最適なレクを選び、全員で一緒に楽しみましょう。

高齢者が座ってできるレク一覧

高齢者が座ってできるレク一覧

高齢者が座ってできるレクについて、それぞれ「概要」と「やり方」について解説しています。

運動系のレク

高齢者が座ってできる「運動系のレク」としては、主に以下4つが挙げられます。

  • ペットボトルボーリング
  • ティシュあおぎ
  • ピンポン玉送り
  • ボール渡し

ペットボトルボーリング

やり方
手順1 水を入れたペットボトルをボーリングと同じ三角形に並べる
手順2 ペットボトルの直線上に椅子を設置する
手順3 椅子に座ってボールを転がしてもらい点数を競う

ペットボトルボーリングでは、ペットボトルをピンに見立て座ったまま玉を転がし、ボーリングをします。座ったままですが、足と腕の筋肉をしっかり鍛えられるレクです。

ティッシュあおぎ

やり方
手順1 5名前後を目安にいくつかのグループを作る
手順2 グループごとに円陣を作って座る
手順3 円陣の中央にティッシュを置く
手順4 開始の合図でティッシュをうちわであおぐ(制限時間内に相手の陣地にティッシュを入れたほうの勝ち)

ティッシュあおぎとは、ティッシュペーパーを下からあおぎ、制限時間内に相手の陣地へティッシュを落とすレクです。敵陣地にティッシュを落とすだけでなく、「長く浮かせられたチームが勝ち」というように柔軟にルールを変更してもよいでしょう。

ピンポン玉送り

やり方
手順1 牛乳瓶など口の狭い入れ物を用意して、お菓子の箱などの真ん中に固定する
手順2 お菓子の箱の部分にピンポン玉を置く(ピンポン玉以外でも可)
手順3 ピンポン玉をスプーンですくいあげて真ん中に固定した入れ物に移し替える

ピンポン玉送りとは、ピンポン玉をスプーンですくいあげ、より入れ口の狭いビンや箱などに移し替えるというレクです。小さな物体をすくいあげる動作があるため、手先の運動や集中力の改善につながります。

ボール渡し

やり方
手順1 座ったまま複数人で円陣を作る
手順2 いくつかの種類のボールを用意して円陣内の個人が持つ
手順3 条件に合わせてボールを円陣内で渡していく

まず、数人の利用者でグループを作り、座って円陣を作ります。そして、作った円陣内にいろんな種類のボール(カラーボール・ゴルフボールなど)を用意し、さまざまな条件下でボールを受け渡ししていくレクです。

「条件」としては、例えば以下が挙げられます。

  • 青のボールだけ隣の人に回す
  • 緑のボールだけ隣の人に回す
  • ゴルフボールをひとり飛ばして渡す

さまざまな条件を即座に伝えられて実行していくので、体の運動はもちろん、脳もトレーニングできます。

脳トレ系のレク

高齢者が座ってできる「脳トレ系のレク」としては、以下の4つが挙げられます。

  • 野菜の重さ当てクイズ
  • 暗記ゲーム
  • 漢字・カタカナ変換クイズ
  • 人生グラフ

野菜の重さ当てクイズ

やり方
手順1 参加者の前に机を設置する(個人・グループ両方可)
手順2 机にさまざまな重さの野菜を置く
手順3 野菜を手に持って「重い順」に並べてもらう
手順4 実際に重さを測り、近い予想を立てた人(チーム)の勝ち

野菜の重さ当てクイズとは、いろんな種類の野菜を持ち、重い順に並べてもらうレクです。野菜の重さを考えるので思考力のトレーニングに役立つうえに「触る」「匂いを嗅ぐ」「見る」などで五感も刺激することができます。

暗記ゲーム

やり方
手順1 複数人でチームを組む
手順2 ひとつのテーマについて、各メンバーに質問をして答えてもらう(「好きな色は?→赤」など)
手順3 10分前後、利用者同士でテーマに関するインタビューをしてもらう
手順4 インタビュー後に「メンバーが最初に回答した内容」を暗記しているかチェックする

メンバーそれぞれに「好きなもの」を聞いたあとに、その「好きなもの」についてインタビューを行います。そして、インタビュー後に「全員分の好きなものを暗記できているか?」とチェックするというレクです。記憶力を鍛えるだけでなく、インタビューを行うことで利用者の思考力もトレーニングできます。

漢字・カタカナ変換クイズ

やり方
手順1 「カタカナの外来語」をもとに漢字とひらがなで造語を作る
手順2 もとになっている「カタカナの外来語」を当てる

漢字・カタカナ変換クイズは、漢字とひらがなを組み合わせた造語を作り、もとの「カタカナの外来語」を当てるレクです。もとの言葉について考えるため脳を刺激して想像力を養います。

人生グラフ

やり方
手順1 職員が人生グラフを作り説明する
手順2 利用者に用紙を渡す
手順3 自分の人生を振り返り、グラフを作成する
手順4 それぞれの人生グラフを見ながら、今までの振り返りや今後の人生設計について話し合う

人生グラフとは、これまでの人生や思い出を振り返り、利用者それぞれにグラフでまとめてもらうレクです。自分の今までの人生で起こった「良かった出来事」「大変だった出来事」などを振り返り記憶をさかのぼることで、脳に程よい刺激を与えられます。

今後の人生設計について考える機会にもなるため、利用者も前向きな気持ちになれるでしょう。

大人数で楽しめるレク

高齢者が座ってできる「大人数で楽しめるレク」としては、主に以下の3つが挙げられます。

  • 紙コップリレー
  • 連想衰弱
  • 回想ゲーム

紙コップリレー

やり方
手順1 利用者に横一列で座って並んでもらう
手順2 棒の先に紙コップをはめる
手順3 はめた紙コップを落とさないように、隣の人に棒の先に渡す
手順4 列の最後まで紙コップが渡ったら、今度は最初の人まで戻す

紙コップリレーとは、棒を使って紙コップをリレーしていくレクです。「棒の先に紙コップを引っ掛けて隣の人に渡す」という作業があり、集中力や手首の器用さを鍛えられます。

紙コップが最後の人まで渡る時間をチーム同士で競ってもよいでしょう。

連想衰弱

やり方
手順1 お題の言葉を決める
手順2 お題を連想させる単語を考え、各チームに単語カードを裏返して配布する
例)お題が「ポスト」の場合
連想単語として「郵便」「赤い」「手紙」などを考え、それぞれの単語カードを各チームに裏返して配る
手順3 裏返したカードを一枚ずつめくり、より少ない数でお題の言葉を当てたチームの勝ち

連想衰弱は、チームに分かれて行うレクです。お題の言葉を決めたら、そのお題を連想させる単語を書いたカードを各チームに裏返して配り、より少ない数でお題の言葉を当てたチームが勝利となります。

回想ゲーム

やり方
手順1 複数の質問カードを用意する
手順2 質問カードを裏返して机に広げる
手順3 ひとりずつ質問カードをめくってもらい、書いてある内容に回答する

回想ゲームは、決められた質問内容に沿って、各利用者に回答してもらうレクです。「人生で一番嬉しかった出来事は?」というように、過去の振り返りなどで記憶をたぐることで、脳を刺激できます。

道具なしでできるレク

高齢者が座ってできる「道具なしでできるレク」としては以下の4つが挙げられます。

  • 制限付きしりとり
  • 後出しジャンケン
  • 古今東西ゲーム
  • 犬・猫トレーニング

制限付きしりとり

やり方
手順1 「5文字の単語」など制限を設ける
手順2 制限を守りながらしりとりをする

制限付きしりとりは、「5文字の単語」のように制限をつけて行うしりとりです。ルールの中から単語を考え抜く必要があるため、記憶を刺激して脳のトレーニングになります。制限によって難易度は変わるため、参加者の得意・不得意なども考慮してテーマを決めましょう。

後出しジャンケン

やり方
手順1 「相手に必ず勝つ」「あいこにする」などの条件を決める
手順2 条件に沿って後出しジャンケンをする

後出しジャンケンは、普通のジャンケンとは異なり「後出し」で自分の手を出すレクです。「相手の出した手に勝てるように後出しする」などの条件を設定して行います。

古今東西ゲーム

やり方
手順1 お題を決める
手順2 お題に沿った言葉を利用者に順番に言ってもらう
手順3 同じ単語を言ったり時間内に思いつかなかったりしたらアウト

古今東西ゲームは、お題に沿った人物名や固有名詞を順番に言っていくレクです。テーマに沿った言葉を思い出す発想力や判断力を鍛えられます。「同じ単語を言ったらアウト」「時間内に思いつかなかったらアウト」などの条件を設けると盛り上がるでしょう。

犬・猫トレーニング

やり方
手順1 職員が動物の名前を言う
手順2 利用者はその動物に合う鳴き声を言う

犬・猫トレーニングとは、職員が言った動物の名前に合わせて鳴き声を答えるレクです。例えば、職員が「猫!」と言ったら利用者は「にゃー」と答えます。

「スタッフが鳴き声を発して、利用者が何の動物かを答える」「鳴き声を答えるパターンと動物名を答えるパターンを混ぜる」などを行うと、難易度が上がり脳のトレーニングにつながります。

座ってできるレクも安心・安全に配慮した実施が大切

座ってできるレクの安心・安全配慮

座ってできるレクには多くの種類があるため、今回紹介したように、利用者の状況や人数、個人の得意・不得意などを考慮して最適なものを選ぶことが重要です。

座ってできるレク自体は安全に行えるものばかりですが、高齢者の方がたくさん集まる状況で実施する以上、個人の安全には充分配慮しましょう。「複数の職員が周囲から見守る」「事前に起こり得る事故を想定して準備をしておく」など、安心・安全にレクを行える状態を整えたうえで楽しんでみてください。

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