VOL.40:3名が体験したインターンシップ Adeccoの若年層向け就業支援プロジェクト 「THE ADECCO EXPERIENCE」

Adecco Groupでは、2013年より、若年層の支援として、就業やキャリア向上の機会を提供する「Adecco Way to WorkTM」プロジェクトを実施しています。

その活動の一環として、全世界で100名の若者がインターンシップ生として約1カ月間就業体験を行う「THE ADECCO EXPERIENCE」を7・8月に実施しました。

Adecco Headline

日本ではヒルトン東京、カップヌードルミュージアム、ノリタケカンパニーリミテドの3社に、猿渡卓也さん、宮本一希さん、吉弘憲さんの3名がそれぞれ就業。実際に仕事を体験しながら感じたこと、学んだことなどをフェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアを活用して、情報発信しました。

さらに、100名のインターンシップ生の中から、コロンビアのPaola Ospinaさんが選抜され、8月下旬から9月下旬にかけての1カ月間、Adecco GroupのCEO、パトリック・デ・メスネールとともに、スイスでCEO業務を体験するプログラムを実施しています。

Adecco Groupでは、“better work,better life”(より良い仕事を通じて、充実した人生を)の実現を目指し、世界中の若年層がスキルやキャリアを磨きながら、将来に希望を持つことのできる社会の実現に向けて、全社を挙げて取り組んでまいります。

一流ホテルで学んだ“おもてなし”の心

ヒルトン東京

「留学で培った英語を生かして、日本の“おもてなし”を学びたい」

そう考えていた猿渡卓也さんにとって、一流ホテルのサービスを学べるヒルトン東京での就業体験は絶好の機会でした。

1カ月のインターンシップ期間に、ラウンジでの接客やバンケットサービス、お客様を客室までご案内するベル業務など、複数の業務を体験し、猿渡さんは仕事の基本を学びました。

「一度、先輩から指示された作業を忘れて、注意されたことがありました。それ以来、失敗を繰り返さないように逐一メモをとり、完璧にこなすよう努めました。仕事の流れがわかってくると、『この場合、この仕事を先にするほうがいいな』などと自分で考えながらできるようになり、仕事の面白さを感じ始めました」

ヒルトン東京 人事業務部
人事業務次長 人材開発担当
福岡紀枝さん

また、世界各国のお客様が来訪するヒルトン東京で、改めて気づいたのは語学力の必要性。「驚いたのは、英語が通じない非英語圏のお客様も多くいらっしゃること。グローバルで仕事をするにはもはや英語だけでは足りないと感じました」

ヒルトン東京は、「一人でも多くの方に、ホテル業界に興味を持っていただくとともに、若い人たちに自分の将来について考える機会を提供することに大きな意義がある」(人材開発担当・福岡紀枝さん)と考え、アデコの「Way to Work」プロジェクトに賛同。今回、猿渡さんが一生懸命働く姿に触れたことは、社員たちにとっても自らの仕事を見つめ直す好機にもなったといいます。

「インターンシップ生がゼロから仕事を覚えるのは大変なこと。しかし、最後には仕事の楽しさを味わってもらうことが、私たちの願いです」

お客様をご案内するベル業務にあたる猿渡卓也さん。得意の英語力を生かして、接客を行った。

実際に勤務しながら考えた「働くこと」の意味 カップヌードルミュージアム

カップヌードルミュージアム(正式名称:安藤百福発明記念館)

企業に就職して働く、ということがなかなか具体的にイメージできなかったという宮本一希さん。彼は、日清食品ホールディングスが運営するカップヌードルミュージアムで、チキンラーメンを手作りできる工房「チキンラーメンファクトリー」で、お客様に手順を説明するインストラクターの仕事を体験しました。

「最初に直面した壁は、お客様への話し方や伝え方でした。上司の方に『マニュアル通りではなく、もっと具体的に話さないとわからないよ』と言われ、そこを意識するようになったら、お客様の作業が目に見えてスムーズになったんです」 お客様に楽しんでいただいているという実感が得られるようになったころ、宮本さんの中で働くことに対するイメージが少しずつ見えてきました。

「仕事はお金のためだけにするものじゃない。それよりも、お客様に喜んでいただくことや、一緒に働いている仲間と協力し合い、認めてもらうことのほうが大切なのだと気づきました」

日清食品ホールディングス
コーポレート・コミュニケーション本部
広報部 課長
鶴丸一毅さん

日清食品ホールディングスでは、インターンシップ生の受け入れについて「外部の若い人の視点で意見をもらえることが、当社にとっても刺激になる」(広報部・鶴丸一毅さん)と考えています。

「インターンシップ生に学んでもらいたいのは、お客様にとって今何が必要なのかを考えて動くこと。さらに、自分がどのように動いたらファクトリー全体を円滑に運営できるのか、立場や役割を越えた視点で改善を考えながら仕事をすることです」

1カ月間の就業体験は、宮本さんにとって、将来の就職を見据えるために貴重な体験を得る機会となりました。

チキンラーメンの作り方を説明する宮本一希さん。教え方も堂々としたものだった。

子どものころに訪れた憧れの場所で就業体験

ノリタケカンパニーリミテド

接客業は未経験だったという吉弘憲さんは、洋食器やセラミックス技術で世界的に知られるノリタケカンパニーリミテドで就業体験しました。業務は、陶磁器に関する複合施設「ノリタケの森」のショップでの接客業務や在庫管理です。

「子どものころに家族でノリタケの森に来たことがあり、店のサービスや食器の素晴らしさに感動しました。それで、ここで働いてみたいと思いました」

とはいえ、実際にやってみると見た目以上にハードワーク。店内を忙しく動き回り、多彩な食器の種類や商品名を覚えなくてはいけません。それでも、「スタッフの皆さんが気さくでアットホームな雰囲気だったので、楽しく働くことができました。お客様と直に接するので、お客様の視点に立って行動し、接客することの大切さを実感しました」

ノリタケカンパニーリミテド
食器事業部 営業部
ノリタケスクエア名古屋 販売リーダー
青木俊輔さん

「ノリタケの森」で販売リーダーを務める青木俊輔さんが吉弘さんに感じてほしかったこともまさにそこでした。

「接客は、お客様とのコミュニケーションがもっとも重要です。商品知識や包装など、テクニックも必要ではありますが、お客様の気持ちになって、喜んでいただくために何ができるかということを考えてほしいと思っていました」

今回は、働くということを頭ではなく、身体で感じてほしいと考えたのが「Way to Work」プロジェクトに賛同いただいた理由だということです。

「吉弘さんのような若い人と働くことは新たな発見や刺激があり、こちらも勉強させてもらうこともありました。インターンシップ生の受け入れを通して、企業として社会に貢献する扉が、また一つ広がったと感じています」

食器を包装する吉弘憲さん。最初はうまくいかなかったが、「できるようになったときは本当にうれしかった」と話す。