Q60 募集時の労働条件明示事項の追加

2018年1月1日から職業安定法が改正されますが、労働者募集に関してどのような変更があるのでしょうか。

今回の職業安定法の改正により、労働者募集や求人申し込みの際に明示しなければならない項目が5つ追加されました。これらの明示項目は、ハローワークや職業紹介会社に求人申し込みをする場合だけではなく、求人広告の掲載、自社のホームページで募集する場合にも適用されます。

これまでの明示項目
  1. 業務内容
  2. 雇用契約期間
  3. 就業場所
  4. 就業時間、休憩時間、休日、時間外労働
  5. 賃金
  6. 労働、社会保険の適用
新たに追加された明示項目
  1. 試用期間
  2. 裁量労働制を適用する場合その旨
  3. 固定残業代を採用する場合その内容
  4. 募集主・求人者の氏名または名称
  5. 派遣労働者として雇用する場合その旨

求人広告のスペースが足りない等やむを得ない理由ですべてを明示できない場合は、「詳細は面談時にお伝えします」などの記載をして、労働条件の一部を別途明示することも可能ですが、求人者と求職者が最初に接触する初回の面接などまでにすべての項目を明示する必要があります。また、採用選考の過程で当初明示した内容が変更される場合は、可能な限り速やかに変更内容を明示しなければなりません。この場合の変更とは、月給25万円を月給20万円にする場合はもちろん、月給20万円~25万円の範囲として明示したものを23万円と定める場合や月給25万円を30万円に増やす場合、諸手当の有無も含まれます。なお、変更内容の明示方法については、変更前後の内容が分かる書面を交付することが望ましいとされています。

POINT職業紹介会社の調査にご協力ください

今回の改正により、職業紹介会社は紹介事業の運営に関する情報提供が義務付けられ、厚生労働省の運営する人材サービス総合サイトに情報を掲載することになりました。提供する情報に無期雇用で就職した者のうち、6か月以内に離職した人数が含まれるため、職業紹介会社が、離職人数把握のための調査を行うことがあります。調査依頼を受けた際は、情報提供にご協力ください。

Profile

答える人
社会保険労務士 中宮 伸二郎 (なかみや しんじろう)

立教大学法学部卒業後、流通大手企業に就職。2000年社会保険労務士試験合格し、2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。労働法に関する助言を通じて、派遣元企業、派遣社員双方に生じやすい法的問題に詳しい。2007年より派遣元責任者講習講師を務める。

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