IT人材不足に“ポテンシャル採用”で新たな一手を

企業におけるビジネスのデジタルシフトが加速する昨今。技術色の強いエンジニアだけではなく、さまざまな業務においてITスキルが必要とされ、IT人材の確保は急務です。IT人材の確保が困難な時代、“ポテンシャル採用”を検討されてみてはいかがでしょうか。

上向き成長を続けるIT業界。人材不足が事業拡大のスピードダウンに影響

経済産業省「平成28年情報通信業基本調査」によると、情報サービス業の売上高は、2016年度の段階で17兆2,683億円(前年度比15.9%増)と6年連続の増加。こうした背景も相まって、受注ソフトウエア開発をはじめ情報処理サービス業などのIT人材の需要が伸びています。

情報通信企業の1企業当たり売上高出典:経済産業省「平成28年情報通信業基本調査」より

また、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査2018」によると、2017年度はIT要員の増加傾向が過去5年で最高に。しかし、IT部門要員全体での人数充足度は「概ね満足」が30.6%なのに対し、「不足」が69.4%と大多数を占めたことからも、人材不足が窺えます。

実は、10年ほど前からIT産業の拡大は目覚ましく、その頃から常にIT人材は不足していました。しかし、ここ2~3年は景気回復の波を受けて、IT人材不足が加速。アデコにも「IT人材不足で事業の拡大ができない」というご相談が年々多くなっています。

特に、社内のクラウド化を推進できる人材は逼迫。この先クラウドインフラが整備されると、今度はコンテンツの実用化が見込まれるので、開発に携われる人材の需要も高まっていくでしょう。

スキル要件を見直し、IT業務で活躍できる人材を増やす

こうした状況下において、スキル保有者や経験者の確保はより一層難しくなります。そこで、戦略のひとつとして有効なのは、ポテンシャル人材(IT未経験人材)の活用による業務の最適化だと考えます。

IT人材は、バックエンドとフロントエンドに大別されます。たとえばバックエンドは、プログラミング言語を使いこなす技術系人材が求められますが、新製品のソフトウエアを紹介したり、カスタマーサポートを担当するフロントエンドに属する人材はコミュニケーションや一般常識などのビジネススキルが求められます。

「IT人材を採用する際の重視点」(「企業IT動向調査2018」より)でも、「人柄」、「調整能力」が上位項目に。フロントエンド業務はIT未経験でも活躍できるフィールドです。
たとえばPCのセットアップやコールセンターのユーザーサポートといったマニュアルに沿う業務や、ソフトウエア開発の部分テスト評価の業務、社内ネットワークの運用業務などは、IT未経験人材活用の幅が広いカテゴリだと言えるでしょう。

中途採用での重視点(上位2位)経験・実績 1位 63.2% 2位 19.7% 人柄 1位 14.2% 2位 28.7% 業務知識 1位 13.0% 2位 28.3% 調査能力 1位 5.1% 2位 16.7% 保有資格 1位 2.5% 2位 5.7% その他 1位 2.1% 2位 1.0%出典:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査2018」より

経験を積んだポテンシャル人材が企業の戦力に

IT未経験人材をアサインした企業の活用事例について、「ヘルプデスクから一般企業の情報システム部門まで拡大しています」と話すのは、IT未経験人材をアサインしたプロフェッショナル事業本部 首都圏エリア千葉支社・シニアセールスの清野奨太だ。

「教育体制やマニュアルが整備されていると、ヒューマンスキルの高い人材であればさまざまな業種からの転化が見込めます。例えば、一般消費者との接点が多いユーザーサポート業務においては、接客販売業の経験を持つ人やテレアポ経験のある人のコミュニケーション力の高さから採用に至った事例もあります。また、サーバーやネットワーク監視などは、異変が起きたときにエンジニアへエスカレーションする業務で未経験でも対応できる範囲です」(清野)

他にも、キャリアこそないもののExcelなど高いOAスキルを評価し、開発系で採用する企業も増えているとのこと。ユニークな事例としては、テーマパークのキャストが、ヒューマンスキルの高さを買われて、未経験ながらユーザーサポートとして採用、その後にサーバーの管理者としてセキュリティを任され、正社員に登用されたケースもあります。未経験であってもポテンシャルが高ければ現場で経験を積むことで、IT人材として企業の戦力になっているのです。

清野 奨太
プロフェッショナルエンジニア事業本部
首都圏東エリア 千葉支社 シニアセールス

このように、経験者の採用が難しくなっているいま、未経験人材に視点を切り替えることも人材獲得のひとつの解決方法です。とはいえ、未経験人材とあって難色を示してしまうもの。しかし、未経験だからこその採用メリットもあります。

「まずメリットとして挙げられるのは、未経験だからこその柔軟さと吸収力。企業それぞれにシステムの運用方法があるので、経験者だと馴染めないケースもあります。未経験でも関連資格の習得など、スキルアップに積極的な方や、基礎学力が高い方であれば、キャッチアップできると思います。

どうしてもスキルやポテンシャルに不安がある場合は、直接雇用する前に最大半年間の派遣期間を設けることができる紹介予定派遣を活用すれば、入社前に適正を吟味することができ、おすすめです。また、コスト面についても、未経験にくらべると経験者は人件費が高くなります。未経験人材でもカバーできる業務内容であれば、コストパフォーマンスを優先させるのも手です」(清野)

これからますます需要が高まるであろうIT人材。ポテンシャル重視の未経験人材の採用は企業のデジタルシフトに欠かせない戦略になるはずです。

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