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Vol.48 2016年の雇用と労働 働き方、市場動向、法改正の影響は? キーワードで探る2016年の日本③ 法改正

Vistas Adecco年始号恒例の、キーワードで見る今年の雇用と労働。
今回は、「働き方」「市場動向」「法改正」の3つをクローズアップし、
それぞれの分野で注目されるであろう項目を識者とともに選び、2016年を見通してみた。


Key Word 時間ではなく、成果ではかる 高度プロフェッショナル制度

今年4月に施行される見通しの改正労働基準法で「高度プロフェッショナル制度※」が創設される。年収1075万円以上の場合、労働時間ではなく成果で給与が決まる制度だ。労働時間が自由になると、自発的残業が増えるという懸念の声もあがっている。「しかし脱時間給になっても年収700万円以上の管理職の場合、労働時間は伸びないという実証結果が出ています。とはいえ、今後年収要件が下がってくると、上司からの仕事の要請に対して、交渉力の弱い人ほど長時間労働を強いられてしまうという恐れも出てきます」(山本氏)

この制度は労働時間を会社が管理しないため、実労働時間を把握することが難しいといえる。では今後、もし年収要件が下がった場合、どのような取組みが必要となるのか。「根本にあるのは何時間働いたのかという労働時間の問題ではなく、成果による評価をしっかり行うことです。成果と給与を適切に連動させなければいけません。この制度は、長時間働く人が優秀という、これまでの日本の企業にありがちな心象がなくなっていくきっかけとなることを期待しています」(山本氏)

※正式名称:特定高度専門業務・成果型労働制

【図4】 高度プロフェッショナル制度の概要

Key Word 「健康な経営」のための メンタルヘルス対策

昨年、労働安全衛生法が改正され、今年からいよいよ本格的な全従業員への「ストレスチェック」の運用が始まる。「従来、メンタルヘルスの管理は個人または社会が対処するものでしたが、今後は会社側の対処がより必要になってくるでしょう。欧州では、各国で働き方とメンタルヘルスの関係を調査する報告書が出されるなど、"経営における健康"は、もはや世界的なキーワードです」(山本氏)

ではストレスチェックに対し、会社および社員はどう対処すべきか。「ストレスチェックは、うつになった人を辞めさせないのが本来の趣旨です。会社側は、無理には働かせないこと。辛くても頑張らねばいけないという圧力、雰囲気こそがよくないのです」(濱口氏)

一方で、2018年からは「障害者雇用促進法」の改正で、精神障がい者の雇用義務も始まる。「メンタルに問題ある人も活躍できる枠組みや、より新しい働き方が必要になっていくということです」と濱口氏は話す。

  • 独立行政法人労働政策研究・研修機構統括研究員 濱口桂一郎氏

  • 慶應義塾大学商学部教授 山本勲氏

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