VOL.44 特集 ニッポンの雇用と労働30年 キーワードで読み解く ニッポンの働き方

「働く」を取り巻く環境が今、大きく変化している。
では、過去30 年間で、日本の雇用と労働はどのように変わったのか?
そして未来に向けて、どう変わっていくのか?
キーワードを挙げながら、“ニッポンの働き方”を読み解いていく。

昭和女子大学 グローバルビジネス学部 ビジネスデザイン学科 特命教授 福沢恵子氏
株式会社クラウドワークス 代表取締役兼CEO 吉田浩一郎氏

keyword3 テクノロジーの進化

かつては、個人よりも企業が、企業よりも国家が情報を持ち、上に行くほど情報が集まるというピラミッド構造のもと、個人は圧倒的に情報弱者だった。しかし、インターネットの普及により、一部に限定されていた情報が個人にも開示されるようになり、また、個人が情報を発信することも容易になった。「わかりやすい例は、インターネットオークションです。昔は個人が所有しているモノは質屋に預けないと売ってもらえませんでしたが、今は個人がネット上でモノを売り、誰もが買えるようになりました。つまり、個人が企業と同じレベルで情報発信することが可能になったのです」と吉田氏。「テクノロジーの進化は、時間と場所に縛られない分、ワークスタイルの自由度やフレキシビリティを高めてくれます。通勤ができないためにこれまで労働力としてカウントされていなかった人がカウントされ、会社に帰属していなくても一人で仕事ができる。そういう意味で『フリーエージェントの時代』になっていくと思います」(福沢氏)

クラウドソーシングは、インターネットオークションのいわば"スキル版"。「個人が持つスキルをネット上で開示することで、企業が求めるスキルを持つ個人を容易に探し出し、安心して活用することができます」(吉田氏)

重要なポイントは、スキルの"見える化"が、個人の社会的信用として機能すること。「『過去にアプリを10回作り、企業の評価は5段階で4.8』などと実績を明確にしたことで、企業から正社員としてスカウトされた事例もあります」

企業同士が与信を元に商取引を行うのと同様、個人も与信を元に企業とつながり、働くことのできる時代の到来。それが"個人の働き方革命"なのだと吉田氏は強調する。「これからは個人と企業が境目なく働けるようになると思います」

クラウドソーシングは、21世紀の企業の経営革新にも貢献すると吉田氏は話す。「市場の先行きが不透明な時代に、経営に求められているのは、顧客ニーズを迅速に捉えて変化に対応し、その体制を作り変えていけるかということです。そのため、正社員として雇用した人財を抱え込む形から、できるだけ人財を抱え込まず、必要なときだけ外部の力を借りる形へと時代は移っています。そうした中で、クラウドソーシングは、人財活用のインフラの一つになり得ます」

クラウドソーシングの普及によって、企業と個人双方に革新をもたらす新しい働き方が今始まりつつある。

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