VOL.44 特集 ニッポンの雇用と労働30年 キーワードで読み解く ニッポンの働き方

「働く」を取り巻く環境が今、大きく変化している。
では、過去30 年間で、日本の雇用と労働はどのように変わったのか?
そして未来に向けて、どう変わっていくのか?
キーワードを挙げながら、“ニッポンの働き方”を読み解いていく。

昭和女子大学 グローバルビジネス学部 ビジネスデザイン学科 特命教授 福沢恵子氏
株式会社クラウドワークス 代表取締役兼CEO 吉田浩一郎氏

keyword2 雇用形態の多様化

大半が正社員で終身雇用だった30年前とは異なり、今や一つの企業内で正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなど雇用形態が多様化。労働力の流動性が高まり、企業にとって人財を確保しやすい時代になった。「今、企業で採用されている正社員の割合は約40%。正社員であることが唯一絶対ではなくなり、正社員になることがゴールではなくなります」と福沢氏は語る。「正社員を増やすことが難しい中、今後は異なる雇用形態の方々の待遇が向上し、正社員をはるかに超える年収を得る人も生まれてくるでしょう」

人財の流動化が進む中、求められているのは、「自身のスキルや能力、やりたい仕事、できる仕事」など、明確なエッジの立った人財だ。「企業が、部門やプロジェクトごとに人財を必要とするとき、社内にふさわしい人がいない場合は、社外から招き入れるという流れが今後、加速します。そのため個人でスキルと経験を蓄積しておけば、一つの企業にこだわることなく、複数の企業の仕事に一定期間ずつ携わって、その都度、相応の報酬を得るという働き方が可能になります」(福沢氏)

一つの企業にこだわらない働き方として注目されているのが、クラウドソーシングだ。インターネット上で不特定多数の人々を募り仕事を発注するサービスで、先駆者である吉田氏は「従来の働き方に加え、クラウドワーカーは新たな人財活用方法として大きな役割を果たします」と話す。

クラウドソーシングは、シニア層の活用にも貢献するという。「当社の登録者の最高齢は85歳で、70代はまだまだ活躍できる年齢。シニア層に社会とつながる喜びや仕事の達成感を提供することで、超高齢化社会に活力をもたらすと思います」

福沢氏も以下のように語る。「今後は、シニア層の中途採用も増えるでしょう。そこで問われるのが人事の実力です。課題は、能力の査定と評価。これまでの仕事で得た能力や経験を、どのように客観的な指標で評価できるか。人事が戦略部門として機能しているかどうかが大切です」

一方で、正社員の需要が全く必要なくなることはないと吉田氏は続ける。「企業経営の見地から今何をすべきかをデザインし、仕事を細分化し発注すること、また発注した仕事の仕上がりを確認することは自社社員でないとできない業務です」

やがては、労働者自身が描くライフプラン、ライフステージに合わせて、働き方を自由に行き来できる社会になる──福沢氏はこう展望を語る。「働いていない期間は履歴書の上では"ブランク"と呼ばれ、再就職に不利でした。これからは、一つの仕事が終わったら、海外旅行へ行ったり、スキルアップのために学校に入るなどの"ブレイク"期間を経て、再びキャリアをスタートさせることもできるようになるはずです。ヨーロッパでは、1年や2年のキャリアブレイクのある生き方も珍しくない。私は休みなく働き続けることが美徳だとは思いません」

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