VOL.42 特集 「女性の活躍推進」と「非正社員の待遇」が最大の焦点 2015年の雇用と労働

始動した2015年。雇用や労働を巡っては、今年もさまざまな課題が横たわっている。
どんな問題が焦点となり、どのような対応が必要となってくるのか。
労働法に詳しい東京大学社会科学研究所の水町勇一郎氏に聞いた。

行きつく課題は男性正社員の処遇

これらの問題は60歳超のシニア社員にも通じる。多くは、再雇用や嘱託などの有期契約となり、正社員時代とは異なる処遇となる場合が多いからだ。
「非正社員の処遇と女性活躍の問題は独立したものではありません。最も大きな問題は、男性正社員の処遇なのです。前出の次世代法と女性活躍法は"女性に活躍してもらおう"ということが趣旨ですが、本質は"長時間労働を減らすなど、全社員を含めた働き方を抜本的に改革するにはどうすべきか"という点。決して、女性だけを優遇するということが主眼ではありません」

2015年、労働に関する法律の2つの焦点 1.女性の活躍推進に関する問題 「プラチナくるみんマーク」制度施行/「女性活躍推進法案」法案化 2.非正社員の待遇に関する問題 「パートタイム労働法」で不合理な待遇が禁止 働くすべての人に関わってくる ホワイトカラー・エグゼンプション/60歳を超えるシニア社員の問題など

正社員については、ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)の導入が検討されているが、過剰な長時間労働にならないよう何らかの時間規制の必要性が議論になっているという。
「WEへの対応も含め、正社員の処遇自体を見直すことが最終的な課題です。逆にいうと男性正社員の働き方と処遇を見直せば、女性の活躍も非正社員とのバランスも自然に取れるのです。

このように全体がつながった課題と認識して改革を行えば、先進的な企業と評価され、優秀な人財が集まり、企業の発展にもつながる。その実行力が試されるのが2015年なのです」

これら処遇改善に向け、人事担当者は、どのように臨めばよいのか。
「規則や雇用形態にとらわれず、個人の特性を見極めて、働くすべての人が気持ちよく働ける制度を作ることです。正社員と非正社員の違い、処遇の合理・不合理は、実際は抽象的で分かりにくいもの。だからこそ人事は人を個別に見て対応し、その差について皆が納得できるようにすることが大事です。世界を見渡しても、労働者がやる気を高め、安心して働ける企業が発展する時代になっています。人を資源としてではなく、企業の財産としてとらえる発想がなくては、今後の躍進は望めないのではないでしょうか」

  • 水町勇一郎氏 東京大学 社会科学研究所教授
    profile
    東大法学部卒。同大法学部助手、東北大助教授などを経て現職。専門は労働法。1999年からパリ第10大学客員教授、2002年からニューヨーク大学客員研究員も歴任。政府の「規制改革会議・雇用ワーキンググループ」専門委員。

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