Case Study 2 Vol.40 特集:女性管理職を“本気”で根付かせる 徹底した両立支援制度と育成プログラム整備 グローバル水準のダイバーシティを目指す 帝人株式会社

【特徴的な支援制度】 原則、週に2日までの在宅勤務 利用できるのは… ①妊娠中、出産後1年の女性社員 ②小学6年生までの子供がいる男女社員 ③要介護の家族がいる男女社員 時短勤務 利用できるのは… ①妊娠中の女性社員 ②小学3年生までの子供がいる男女社員 ③要介護の家族がいる勤続1年以上の男女社員 ※②と③の場合は、いったん時短勤務を解消しても状況に応じて再び利用することが可能。

厚生労働省の「均等推進企業表彰」や経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれた帝人。同社の“女性社員活躍”への取り組みは1999年から始まった。その経緯を同社ダイバーシティ推進室長の日高乃里子氏が語る。

「弊社は90年代から海外合弁などグローバル化を加速したのですが、合弁先企業と会議をすると、先方には女性役員などが多いのに、弊社は男性ばかり。そこで当時の社長がグローバル企業になるためには女性の活躍が不可欠と強く認識し、『女性活躍委員会』が設置されました」

委員会では社員アンケートを実施し、育児との両立支援制度や風土創りなどを検討。2000年には女性活躍推進室が設けられ、室長には外部から人事部経験などが豊富な女性専門家を登用した。このとき社長の強い意志もあり、現在ある支援制度が次々と導入された。「風土がどんどん変わっていく」と日高氏は実感したという。

同社の両立支援制度は妊娠期、出産時、育児期、介護期と、男性も含めステージごとに極めて多種多様なものが揃っているのが特徴だ。休職、時短、フレックスなどだけでなく、最大2年間取得できる介護休職制度、週2回の在宅勤務制度などもある。女性だけでなく、男性の取得も可能で、夫婦で週2日ずつ交互に在宅勤務を利用して育児をする社員もいるという。

「“小1の壁”には特に配慮し、時短勤務は小学校3年まで使えるようにしました。ただ、あまり時短が長期になるとキャリアロスにもなるため、半年ごとに通常勤務、時短に戻れる制度も導入。育児に関する多くの意見を集約して制度を作り、制度整備後は出産を機に辞める社員はいなくなりました」

昨今、よく使われ始めたのはベビーシッター支援制度という。 「シッター企業と提携し、保育施設でのサポートでは足りないときに利用でき、料金の半額程度を補助。急な仕事、締め切りで残業が続くときなどに重宝します。買い物、洗濯、お勉強、サマーキャンプの実施など利用者のニーズに細かく対応してくれる提携先はとても好評です」

このような制度の整備と並行し、女性管理職育成のプログラム(選抜制)や女性営業研修、女性エンジニア交流会なども実施。16年に女性管理職160名(11年時の2倍)という目標を設定している。

「03年から3年間の育成プログラムで管理職になった45名が現在、社内でロールモデルになっています。ただ20代後半から30代前半に女性が迎えるライフイベントを乗り超えられるか、女性社員の不安は大きい。この世代の背中を押すべく若手リーダー女性育成プログラムを新たに開始しました」

同プログラムは、やる気アップ、リーダーシップ像構築、ファシリテーション研修、上司と相談しながらのアクションラーニングと、合計4カ月の充実した内容となっている。

また同社には女性新卒総合職採用目標30%以上、外国人採用目標10%以上など、会社としての目標数値を掲げ、そのうえで、新任部長へのダイバーシティ研修などもあり、年々着実にダイバーシティ感覚が浸透しているようだ。

「ダイバーシティとは女性や外国人の優遇ではありません。別の価値観に出合い、刺激され、世界観が広がること。現在は多様な価値を認める段階ですが、将来は多様な価値を積極的に求める、次なる段階へと進めたいと思っています」


帝人株式会社
人財部 ダイバーシティ推進室長
日高乃里子

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