Case Study 1 Vol.40 特集:女性管理職を“本気”で根付かせる 徹底した残業削減と育成プログラムで女性社員の定着と女性管理職の拡大を図る SCSK株式会社

住商情報システムとCSKが合併し、2011年に誕生したSCSK。会長兼CEOの中井戸信英氏は「働きやすい、やりがいのある会社」の実現に向けダイバーシティの推進、ワークライフバランス(WLB)への取り組みなどを重要な戦略として打ち出し、合併以来3期連続で増収増益を達成している。

同社の女性社員活用施策の始まりは合併前の06年に発足した「女性活躍プロジェクト」。その後、育児支援制度の拡充を図り、出産した女性社員が働き続けやすい環境を整えた。同社執行役員の河辺恵理氏は「環境整備前に比べ、女性社員の離職率は大幅に減少しています」と語る。

手厚い支援制度が奏功し、女性の定着率は見事に向上。その後、ダイバーシティ推進課が設けられ、13年には女性ライン職(管理職)の登用目標値を設定し、女性ライン職育成プログラム(研修制度)をスタート。現在、女性ライン職は43名となり、18年度に100名の女性役員・ライン職を登用するのが目標だ。 「弊社のダイバーシティ推進は女性の活躍推進のみならず、実年キャリアプラン、障がい者雇用の推進、介護支援、WLBの充実などが全体像です。特に女性の活躍についてはWLBの充実と密接に関係することから、これを両輪として取り組んできたことが成果につながっていると思います」


女性社員だけを対象とした新任ライン職およびその候補者を対象とした3つのプログラムの合同研修も開かれた。

WLBへの取り組みの中でも注目すべきは徹底した残業削減。全社員で長時間労働を見直し、より短い時間で効率的に働くことで平均残業時間を削減し、目標を達成した部門の社員にはインセンティブを支給する報奨制度を設けた。結果、08年に月平均35時間超だった残業が現在は22時間程度となり、合わせて有休取得日数も08年の13日から19日に増加した。「部門ごとの業務特性に応じて業務の見直しや負荷分散などの施策に取り組み、組織全体で業務効率を上げるための新たなルール作りや、勤務時間が短くてもお客様へご迷惑をかけないための仕組みを確立しました。部門長が業績管理と同様に働き方のマネジメントを行うことで初めて達成できたのです」。現在では繁忙期には残業することもあるが、それ以外はフレックスを活用しメリハリのある働き方ができるようになったという。

「14年4〜6月の月平均残業時間は17時間。ここまで減ると、育児と仕事もなんとか両立できるレベルです。直接の因果関係はわかりませんが、去年から女性社員の2人目出産率も増加。男性社員の家庭参加も増えました」

管理職=長時間勤務というイメージが払拭されたことで女性が管理職になることへの抵抗感も減ったようだ。とはいえ、残業が減っても、ロールモデルとなる女性上司はまだ少なく、女性は管理職をイメージしにくいという壁もある。そこで昨年度から、女性社員だけを対象とした管理職養成プログラムを開始した。各プログラムは、段階に応じたマネジメント力の講習をはじめ、上司をサポーターに選任したり、他の女性ライン職との情報交換の場(キャリアカフェ)の実施など、1年間にわたるきめ細かい研修内容となっている。

「多様な個性と価値観を尊重するという考え方が浸透しないと、本当の意味での女性登用は実現しません。性別の区別なく、働きやすい、やりがいのある職場環境を今後も創造していきたいと考えています」


SCSK株式会社
執行役員 人事グループ 副グループ長
人材開発部長
河辺恵理

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