Vol.40 特集 女性管理職を“本気”で根付かせる

労働力不足が進み深刻化するなか、人財を確保し今後の経済成長を
支えるために「女性の登用、活躍推進」は国をあげての目標となった。
しかし肝心の女性管理職候補が育っていないという実態もある。
女性が管理職を目指すための真のマネジメントとは何かを探った。

本質的に求められるのは会社全体での働き方改革

現実に女性管理職が育っている会社では、候補者を丁寧に育て、人事部は何事も不安にならないよう適時カウンセリングを行うことも多いという。

「一般的に、女性は全体像を把握することが苦手と言われています。だから仕事の全体像を可視化し、使命、目標、目的、すべきことを書き出していく。すると一見難しい仕事でも自信が生まれたり、部下育成も面白そうだ、と気持ちに変化が表れるようになります。このような丁寧なコミュニケーションによって期待されていることが伝われば、モチベーションが上がる。管理職としてのスキルは後から付いてくる。だから腹を括って女性を抜擢することも大事です」(藤井氏)

基本的に6時で確実に帰ることができ、夫も子育てを手伝えば、フルタイムの管理職もなんとか務まるはずだ。

「結局、女性活用は男性社員の意識も含めた問題であり、会社全体で働き方の改革が問われる」と、松浦氏は語る。

そのような男社会文化から、性差を超えた文化への改革の第一歩となるのが、「役割と時間配分の見直し」、と藤井氏はいう。「日本企業は社内調整的な仕事が多すぎます。各社員の業務内容を再検討して役割を明確化し、適材適所を実現していくことが必要です。最終的に性差や育児・介護が必要な人とそうでない人で、パフォーマンスに差が出ないようにするためには、人事・評価制度を大きく見直し、意識改革を起こしていく必要があります」

国際競争、深刻な人口減を背景とし、「今後あるべき姿は、男女、国籍、勤務時間、価値観などの多様性のもと、貢献をフェアに評価すること」と、松浦氏。では、そうなるために人事部のすべき役割とは何か?

「従来の日本の人事にありがちな同質の人財を前提とした統制的な管理を続けるのではなく、まず人事が多様性ある組織に変わり、そして変革の旗振り役になるべきです」(松浦氏)

ニッセイ基礎研究所 生活研究部主任研究員 松浦民恵氏 profile 神戸大学卒。日本生命保険入社。95年ニッセイ基礎研究所。08年東京大学社会科学研究所特任研究員。11年に博士(経営学)。女性社員の活用、男女のWLB、人事部の役割などを研究。著書、講演多数。

キャリエーラ代表取締役 (ダイバーシティコンサルタント) 藤井佐和子氏 profile メーカーでの海外営業、大手人財サービス会社を経て独立。13,000人以上のカウンセリング事例をもとに管理職向け女性活用研修、コミュニケーション研修、管理職リーダーシップ研修や講演など幅広く活躍中。

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