Column 組織と人の今とこれから 2020年〜将来の「働き方」予測 東京五輪が開催される2020年。この年を分水嶺に「少し先の未来」の働き方について、気鋭のエコノミスト2 人に語ってもらった。

Interview2 キーワードは「多様化」 フレキシブルな働き方がクローズアップされる

これからの日本の雇用に関するキーワードは「多様化」です。

直近では、現政権が2013年8月に東南アジアを歴訪した際、「日本を世界一ビジネス・フレンドリーな国にしたい」と発信し、海外の企業を呼び込む姿勢を見せました。東京五輪開催に向けて、日本を訪れる外国人はこれからさらに増加すると見込まれます。グローバル化に五輪効果が加われば、外資系企業の日本進出や外国人留学生が増加するのは自明の理。日本で働く外国人は飛躍的に増加するでしょう。

一方で、海外や外資系企業で働く日本人もさらに増えるでしょう。和食が世界遺産となり、五輪の宣伝効果も手伝って、20年ごろは日本ブームの盛り上がりが期待できます。日本人であるメリットを生かして「海外で寿司職人を目指す」など、就職段階で海外を視野に入れることが、今以上に“当たり前の感覚”になってくると思います。

また「20年までに女性管理職3割」という目標も大きなキーワードです。女性活用はますます盛んになるでしょう。医療や介護などの成長分野では、女性の感性が生かされるものが少なくありません。男性は生産拠点のグローバル展開が進むことで、これまで男性のスキルを活用してきた製造業などでは雇用の増加は見込めないでしょう。

外国人や女性の就業率が高まると、ダイバーシティの必要性も高まります。在宅ワークやコンプレスト・ワークウィーク(1週間の基準労働時間を曜日ごとに変化を持たせる制度)など、労働時間や就労場所を働き手が選べる「多様な働き方の改革」も進むでしょう。

雇用形態も多様化が進むはずです。「限定正社員」は、地域限定正社員など、すでに類似した雇用形態が新卒採用枠に一部取り入れられており、今後は「フレキシブルな働き方」がよりクローズアップされるでしょう。かつての新卒総合職は欧米企業並みのエリート人財として採用され、大半の新卒が限定正社員として採用される「二本立て採用」がメインになるかもしれません。

高齢化もさらに進み、年金支給年齢は引き上がる可能性が高い。我々のほとんどは70歳近くまで働く時代になり、限定正社員はこうした年代の雇用の受け皿になる可能性もあります。

近い将来、日本でも多様性に富んだ働き方が主流になってくるはずです。

第一生命経済研究所 主席エコノミスト 永濱利廣 氏

profile

1995年早稲田大学理工学部卒業後、第一生命保険に入社。08年から現職。経済統計、マクロ経済の実証分析を専門とし、第一生命経済研究所では内外経済の長期予測を担当している。

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