VOL.35 特集 日本のインターンシップ制度 Case Study 2 厳しさを伝えて、ミスマッチを防ぐ採用直結型のインターンシップ クックパッド株式会社

農業がテーマになったインターンシップでは、訪問先で実際に農作業を手伝う場面も。

日本最大のレシピサイトを運営するクックパッドのインターンシップは、明確に「採用直結型」を打ち出している。2015年入社予定組から、特にエンジニア採用は、インターンシップを経験した人のみ採用。総合職の採用も同年より「インターンシップで活躍をした人にはお声がけすることがあります」と、学生に伝えている。人事部採用グループグループ長の鷲見美緒さんは、その理由についてこう語る。「もちろんインターンシップを採用に直結させないとした経済団体連合会の倫理憲章については認識しておりますが、それでもインターンシップが採用に繋がる例を学生たちも知っている場合もあるので、当社としては事前に自分たちの方針について、きちんと伝えたいと考えています」

エンジニア希望者のインターンシップの期間は5日間。1回につき12名を3回にわたり受け入れる。そのプログラム内容は、ほぼ“5日におよぶ長期試験”と言っていい。「エントリーの段階で、ソフトウェア開発支援サービス『GitHub』のアカウントを持っているかなど、多くの条件をクリアした人を受け入れます。インターン参加中は当社のデータを活用し、顧客の課題を解決するサービスを5日間がかりでプログラミングをしてもらいます」

できた作品はインターンシップの仲間や同社のエンジニア統括部長の前で発表、フィードバックを行う。選抜者には、採用の最終面接に進んでもらう仕組みだ。

一方の総合職希望者のインターンシップは、3日間の工程で1回につき15人を4回受け入れる。その内容とは、「たとえば今回のプログラムではまず、5人一組のチームを作りました。全員でバスに乗って、ある食品の生産地に赴き、その生産者が抱えている課題を解決するプランを練ってもらう構成です」

生産者にインタビューできる時間は10分、その他の時間もあらかじめプログラムが決まっている。従って学生は誰がどのような質問をするか、往路のバスで段取りをつけておかなければいけない。つまり“試験”は行きのバスから始まっているようなもの。「学生がどのようにリーダーシップを執り、チームビルドしているかを観察している」と言う。

クックパッド株式会社 人事部採用グループグループ長 鷲見美緒氏

2日目には中間発表が、3日目には本発表があり、その内容を同社の審査員がフィードバックする流れは、エンジニア希望者のインターンシップと同じ。特徴的なのは、アドバイザーとして参加する社員が、インターンシップ中に実際の仕事さながらに率直な意見や厳しいアドバイスを突きつけることだ。

そこですぐに、挫折してしまう学生もいる。面接だけでは見えない、その人の“地”が見える瞬間は、数多くあると言う。「面接で受け答えが完璧だった人の意外な弱点が見えることもあれば、反対に目立たなかった人が審査員に駄目出しされて『ゼロに戻ってやり直そう!』と仲間を鼓舞し、すばらしい作品を作り上げることもあります」

同社は今、「レシピサイト運営」という枠に留まらず、食や生活のインフラ企業への飛躍を目指す。その担い手としてほしいのは、料理を扱う同社が抱かれがちな「女性的、優しい」というイメージにひかれてやってくる人ではなく、成長意欲が高くチャレンジングな人財だ。インターンシップには「我が社の厳しい側面もきちんと伝えたい」目的もあるという。実際、「雇用のミスマッチを防ぐ手ごたえは感じている」そうだ。

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