VOL.35 特集 日本のインターンシップ制度 Case Study 1 チームワークで課題を解決する2泊3日の合宿インターンシップ 株式会社博報堂/株式会社博報堂DY メディアパートナーズ

学生たちは6人1チームで、与えられた課題に挑戦。ときには夜通し議論しあうこともある。

博報堂のインターンシップの歴史は、2001年に遡る。学生からの知名度・人気ともに抜群で、かつての参加者が「人生が変わるインターンシップ」とネット上で絶賛したほど。博報堂人事局マネジメントプラニングディレクター金丸紀之氏によると、「今夏のインターンシップは参加者枠60人に対し約3,000人の応募があった」そうだ。人生が変わるインターンシップとは、どのようなものなのか?「当社は単に広告制作や広告出稿を業務とするのではなく、企業や社会の課題を解決することを業務としています。そして企業や社会とは人の集合体であり、その人とは消費者ではなく生活者だとして捉える“生活者発想”が原点にあります。この当社の理念を多くの学生さんに理解していただくこと、さらには、インターン生が人として成長する手助けをすることが目的です」

インターン生は、まずは3日間、赤坂の本社で「生活者発想」とはどういうものなのか、その根本的な考え方などについて、先輩社員のケース紹介などを通して学ぶ。目玉はその後の、2泊3日の軽井沢での合宿だ。「座学で伝えられることには限界があります。そこで、生活者発想による課題解決の模擬体験をしてもらうのです」

インターン生6人を1つのチームとして、各班が1つのコテージを使う。彼らの見守り役(チューター)として、20代後半〜30代前半の現場の中堅社員が付き、全員で寝食を共にしながら課題に取り組む。この課題も特徴的だ。「『特定商品のブランド戦略の立案』などを課題にしてしまうと、マーケティング知識を付け焼刃で詰め込んできた学生が有利になってしまう。そこで人間の生活行動に関する、より本質に迫る課題を設定しています」

株式会社博報堂 人事局人事部 マネジメントプラニングディレクター 金丸紀之氏

金丸氏によると「人が人について考える時、人は自分の経験に基づいてのみ、シャープに推察できるもの」と言う。したがって議論の過程で、学生の人生や人柄があぶり出されてしまう。「だからといって自身を偽っていては議論が盛り上がらず、結果として、良い解決策が出ません」。だから嫌でも自分を出さざるを得ない。

最終日には、チームで考えた解決策の順位を発表、講評するフィードバックも欠かせないプログラム要素だ。「自信満々だったチームが敗れ、なかには泣き出してしまう学生もいます。でも、それで今の自分に足りないものに気が付き、結果として参加した本人の成長に繋がるのであれば、それだけでも当社としてもやった甲斐があると思っています」ちなみに、その審査を担当するのは、同社でも指折りのクリエイターやコンサルタントらエキスパート達だというから豪華である。人的コストを惜しまないのも特徴だ。「当社には元々、人財育成に手厚いカルチャーがあるため、現場の社員が採用活動に協力的です。また社員の中にはインターン経験者も多くいるため、社員間のインターンシップへの理解も非常に深い。よって、うまく現場社員を巻き込み、今年は学生にどのような課題を与えるかなどプログラム作りから、現場社員と人事が一体となってチームを組んで決めるようにしています」

また昨年の問題を抽出し、毎年、ブラッシュアップを欠かさないのも特徴だ。そもそも何のためにインターンをやるのか、目的を明確にし、現場と人事がビジョンを共有する──。そんな一丸となった取り組みだからこそ、同社のインターンシップは優秀な学生に支持されるのだ。

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