Vol.29 特集 「働きがい」のある会社にするために人事ができること W人を規制するW人事からW人を育てるW人事へ

実践事例 Case Study2 戦略的でクリエイティブな人事制度が働きがいを創出する 株式会社サイバーエージェント

働きがいを生み出す多彩な社内制度

インターネット広告やソーシャルゲームなど、インターネットメディア事業を幅広く展開するサイバーエージェント。「2012年版働きがいのある会社」調査において、従業員250人以上の企業83社中4位に入った。「21世紀を代表する会社をつくる」というビジョンを掲げる同社では、「人財こそが競争力」という考えのもと、その目標を達成すべく、さまざまな社内制度がつくられてきた。

新規事業プランコンテスト「ジギョつく」のプレゼン大会の様子。結果はその日のうちに発表される。

たとえば、半年に1回開催される「ジギョつく」という事業プランコンテスト。雇用形態や所属先に関係なく、サイバーエージェントグループのすべての社員が応募できるのが特徴だ。優勝者には提案した事業の責任者の椅子が用意され、場合によっては、その事業を行う新会社を立ち上げ経営に携わることもできる。近年では、このコンテストで受賞した新卒内定者が、入社後すぐに新会社の社長に抜擢されたケースもあったという。

社内公募制度「キャリチャレ」は、半年に一度、各事業部から寄せられた業務ニーズに、従業員がチャレンジを表明できる仕組みだ。毎回10名から20名程度が、この仕組みを使って異動している。

従業員同士を結びつける仕組みも用意されている。たとえば、社内報「サイ・バー」には、従業員の経歴や誕生日といったプロフィールを掲載。また、部活動や懇親会も奨励し、活動費や交流会費は会社が支給する。ネット業界の雄としては意外なことだが、社内SNS のようなインフラは特に設けておらず、あくまでも対面のコミュニケーションを重視している。

(写真右)入社直後のメンバーの席には、名前入りの「ウェルカムバルーン」を取り付ける。(写真左)キャラクターが描かれたユニークな会議室。

人事制度は継続させるための「運用」が要

「現場がしらける制度ではダメ。成果が出るようシミュレーションすることが大切」と星野貴仁さん。

これらの多様で独創的な制度や仕組みの多くは、人事部が主導してつくりあげたものだ。同社人事本部シニアマネージャーの星野貴仁さんは、人事部の役割を「コミュニケーションエンジン」と表現する。

「人事部の役割の一つは、経営と現場をつなぎ、コミュニケーションを活性化させることだと考えています。しかし、経営の声をダイレクトに現場に伝えても意味はありません。経営課題の中に人事が解決すべき事項があるならば、具体的な仕組みに落とし込んだ解決方法を考え、現場で運用してもらう。また、現場からの要望があれば、ニーズの本質を抽出し、成果の出る形にした上で経営側に伝える。そのような現場と経営の橋渡しをするのが、私たち人事部の役目です」

制度はつくったままにはせず、絶えず見直しを行いながら、改善を図っていく。「社員が挑戦したいという気持ちや、やる気を持てる制度である一方で、安心感や働きやすさも感じられる。人事制度はそのバランスが大切だと思っています。しかし、アイデアは良くても、その制度が社員に受け入れられて継続的に機能していかなければ意味がありません。現場の意見を聞きながら改良を重ねるなど、運用面にも注力しています」

経営課題を踏まえた戦略的でクリエイティブな人事制度と運用体制が、従業員の働きがいを向上させる「エンジン」となっている。

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