Vol.27 特集 アウトソーシングの現在と未来 人事戦略としてのアウトソーシングを考える

経営を効率化する手法として広く活用されているアウトソーシング(業務の外部委託)は、
「さらなる効率化」「小規模化」へとシフトしています。
今回は、このアウトソーシングが持つ機能と、今後の人事戦略を考える上での役割について探ります。

自社の業務の一部を外部の事業者に委託するいわゆるアウトソーシングの活用が、近年、いよいよ盛んになっています(図1)。コールセンターや各種事務センターなどの施設運営、営業支援系、ITシステムの構築・運営など、ほとんどの企業が、何らかの形で外部専門事業者に業務を委託しているのが現状です。

図1

アウトソーシングには、一般に二つの効果があると言われてきました。一つは「コストダウン」、もう一つが「付加価値の獲得」です。

ある一部の業務を効率よく安価に遂行できる事業者に委ね、業務全体のコストを下げる。これがコストダウンの効果です。コストダウンのテクニックとしては、人件費で優位にある海外に業務を委託する方法=オフショアや、固定費(地代)の安い国内の地方で業務を行う方法=ニアショアなどがよく知られています。コストダウンを目的として外部に委託する業務は、一般に、比較的顧客との接点が少なく、特別な技能や資格などを必要としないものが主流となっています。

一方、外部のプロフェッショナルに業務を委託することによって、社内の人財では困難な商品の開発や、サービスの質の向上、業務プロセスの見直しなどが効果として期待できます。それが「付加価値の獲得」です。たとえば、コールセンター運営に優れたノウハウをもつ事業者にインバウンド業務を委ねることで顧客の満足度が向上し、商品やサービスの売上増につながることが期待できます。つまり、CS(顧客満足)と、その結果としての売上増や利益の向上という付加価値が企業にもたらされるわけです。

「人」という視点で見れば、コストダウンを目的として委託する業務は、「外部委託が可能な仕事」、付加価値の獲得を目的として外部に委ねる業務は、「社内だけで行うことが困難な仕事」と表現することが可能です。

NTTデータ経営研究所・情報戦略コンサルティング本部の早乙女真氏は、このように説明します。 「特殊な能力を有する人財の発掘には、手間やコストがかかります。また、そのような人を定常的に雇用する形態が適当でないケースもあります。その時に必要な能力をフレキシブルに活用できる。それがアウトソーシングの大きなメリットの一つと言っていいでしょう」

図2

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