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教えて!中宮先生 雇用労働Q&A

特別条項付き36協定

Q372017年度労働行政運営方針において特別条項付きの36協定が不適正な場合、指導を行うとされていますが、特別条項付きの36協定に関してどのようなことに注意すればよいでしょうか。

特別条項は、通常の36協定で定める事項に加え以下の事項を定める必要があります。

  1. 限度時間を超えて労働時間を延長する特別の事情
  2. 延長する場合の手続き
  3. 限度時間を超える一定の時間
  4. 限度時間を超えることのできる回数
  5. 限度時間を超える時間外労働に関する割増賃金率

①の特別の事情は、単に業務上必要な時ではなく、労使協議により可能な限り具体的に定める必要があります。②の延長する場合の手続きは、労使協議によると定めることが多いようですが労働基準監督署の臨検の際、どのような協議を行っているのか説明を求められることがあります。突発的なトラブルの対応で限度時間を超えてしまう場合でも手続きは協定で定めたとおりに行わなければなりません。実務上どのような協議が行われているのか、協議ではなく通知をしているのであれば、手続きも実態に合わせて通知とすべきです。
④の回数は1年の半分を超えないこととされていますが、③の延長時間の上限について、現在は上限を示していませんが、不必要に長い時間を設定することは望ましくないのは言うまでもありません。⑤の割増賃金率は、限度時間超の時間外労働の割増賃金率を2割5分を超える率で設定する努力義務です。限度時間超に対する割増率のため、1カ月だけではなく年間の限度時間を超過する場合の割増率も同時に定めなければなりません。また、一定の条件を満たす中小企業以外は1カ月60時間を超える時間外労働の割増率は5割以上とされていることから限度時間超とは別に60時間超の割増率も協定で定めることになります。

特別条項は本当に青天井?

POINT

上述のとおり、限度時間を超える延長時間の設定に上限は設定されていませんが、月80時間以内に抑える努力が必要です。なぜなら、今年度の労働行政運営方針では「時間外・休日労働時間数が1カ月当たり80時間を超えている疑いがある事業場や長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場に対して、引き続き監督指導を徹底する」としているからです。昨年度の運営方針では1カ月100時間超を対象としていたところ、今年度は80時間に短縮しています。

答える人

社会保険労務士 中宮 伸二郎 (なかみや しんじろう)
立教大学法学部卒業後、流通大手企業に就職。2000年社会保険労務士試験合格し、2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。労働法に関する助言を通じて、派遣元企業、派遣社員双方に生じやすい法的問題に詳しい。2007年より派遣元責任者講習講師を務める。

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