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もっと知りたい!雇用労働ナレッジノート

「多様な働き方」を推進する環境づくりが活発化しています。
働く人の現状に最良な時間や場所、そして介護や育児などの両立を支える
社会基盤の構築が大切で、そのための法整備が進んでいます。
『雇用労働ナレッジノート』では、変遷する労働法制を
分かりやすくお伝えします。

隔月連載 第B回

「若者雇用促進法」を事業者視点から解説

若者の意欲と能力に応じた職業生活を支援、
事業者などの「責務と連携」で環境整備

少子化に伴う日本の労働力人口の減少で、「多様な働き方」の重要性がクローズアップされています。政府は、全員参加型社会の実現を目指し、生産性向上のための目標と政策を打ち出しています。その中のひとつに「若者の働きがいと職業能力開発」があり、この目標を具体的に後押しするのが、昨年10月から今年4月にかけて段階的に施行されている「若者雇用促進法」です。
1970年に制定・施行された「勤労青少年福祉法」を時代の変化に合わせ、今回の改正で通称「若者雇用促進法」と呼称が衣替えされました。
改正の本質的な狙いは、「若者の就職活動時や就職後のトラブル防止」にあり、そのために事業者などの「責務と連携」が具体的に盛り込まれました。これから、施行された改正内容が本格的に履行・浸透していく現状を前に、「事業者の視点」でポイントを解説します。
また、抜本改正から1年が経過した労働者派遣法(平成27年法)の中から、大切なポイントのひとつとなっている「派遣社員の均衡待遇」に注目し、派遣先が対応すべき要点を整理します。

「2015年10月施行」「2016年3月施行」「同年4月施行」の改正概要

通称「若者雇用促進法」、正式名「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律」は、昨年9月11日に成立しました。正確には、「勤労青少年福祉法」、「職業安定法」、「職業能力開発促進法」などの一部を改正した法律です。若者にとっては、従来に比べて入職前の企業情報が豊富になるほか、より正確な情報を得ることができます。

逆に言えば、情報提供側である採用企業の事業者などに「責任と連携」を課すものです。事業者が行う具体的な内容に入る前に、この法律の全体像を説明します。3つの時期(「昨年10月施行」「今年3月施行」「今年4月施行」)に段階的に施行されたことが特徴であり、施行期日ごとに骨格をお伝えします。

昨年10月に施行されたのは、若者の雇用管理の状況が優良な中小企業の認定制度「ユースエール認定制度」です。今年3月の施行は、@新卒者の募集を行う事業者に対して規模を問わず、幅広い情報提供を努力義務とすることと、A応募者からの求めがあった場合の3類型(※別途、詳細説明)ごとに1つ以上の情報提供の義務付け。さらに、「ハローワークでの求人申し込み不受理」です。今年4月の施行は、「キャリアコンサルタントの登録制度の創設」です。

それぞれの概要は、下表をご覧ください。

3つの施行期日ごとの全体像

キーワードは「情報提供」、押さえておきたい「3類型」

「若者雇用促進法」の全体像を踏まえたうえで、重要な部分となる情報提供の「3類型」について、内容と仕組みをピックアップします。

■「3類型」のそれぞれについて、1つ以上の情報提供の義務付け

情報提供の「仕組み」をイメージ図で見てみましょう。

情報提供

それでは、「3類型」を詳細説明します。

3類型

上記の3つの類型の中から「それぞれ、一つ以上」の情報を提供するという意味になりますのでご留意ください。

「情報提供」の義務付けに対応し、求人メディアの業界団体も自主規制
今年12月1日、固定残業代の表示のない求人広告掲載をストップ

法改正に連動した動きも出ています。求人メディアの主要各社で構成する公益社団法人・全国求人情報協会は、固定残業代の表示を促進するため、今年の12月1日から表示がない募集主の広告は掲載しない「自主規制」に踏み出します。若者雇用促進法で企業(募集主)に義務付けられた「残業時間などを含む職場情報の提供」の趣旨を踏まえ、広告を掲載する企業に周知するための「取り組み方針」を発表したものです。

全求協によると、求人サイトや情報誌等のメディアは、同法において表示の義務を課されていませんが、募集主に対する情報開示の社会的要請が強くなっており、年間1300万件の求人情報を提供している全求協の会員が自主的に取り組むことで、情報提供促進に貢献できると判断したものです。

公表した取り組み方針の4項目

「派遣社員の均衡待遇」に向けて派遣先が実施する要所

昨年9月30日施行の労働者派遣法(平成27年法)は、施行から1年となります。これまで、「ナレッジノート」では、「理念」や「基本的事項」を基軸に、派遣社員の事業所単位の受け入れの期間制限や、延長の際の「重要な手続きや対応」について解説してきました。
今回は、「派遣社員の均衡待遇」に向けて派遣先が実施する要所についてお伝えします。特に、従来まで「努力義務」だった項目が「配慮義務」に格上げになった点を整理しました。

加えて、派遣先指針(ガイドライン)には、次の規定が盛り込まれています。

@派遣料金の額の決定にあたっては、就業の実態や労働市場の動向等を勘案し、受け入れる派遣労働者の従事する業務と、同種の業務に従事している労働者の賃金水準との均衡が図られたものになるよう努めること。

A派遣契約の更新の際の派遣料金の額の決定にあたっては、就業の実態や労働市場の動向等に加え、受け入れる業務内容や要求する技術水準を勘案するよう努めること。

「派遣社員の均衡待遇」に向けて派遣先が実施する要所

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